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鎌倉で客が値段を決める古本市 売上は小さな私設図書室に寄付

当日持ち寄られた本が並ぶテーブル。周囲の本棚には鎌倉ゆかりの本だけが並ぶわずか7坪のスペース

当日持ち寄られた本が並ぶテーブル。周囲の本棚には鎌倉ゆかりの本だけが並ぶわずか7坪のスペース

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 鎌倉ゆかりの本だけを集めた会員制の私設図書室「かまくら駅前蔵書室(通称カマゾウ)」(鎌倉市小町1)で4月7日、持ち寄った本を参加者が任意の金額を寄付して持ち帰る「本とカマゾウのための古本市」が開かれる。

同蔵書室では本関連だけでなく、さまざまなワークショップを開いてる。「はじめての三味線講座」は鎌倉在住の荻江節の継承者が指導

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 「家には本がたまる一方で、何とかしたいという個人的な悩みがきっかけ」と話すのは、同蔵書室会員で発案者の小泉成史さん。もともと本好きなのに加え、かつて新聞記者でテレビコメンテーターなども務めていたことから、増え続ける本の処分に困っていた。「これまでも各地で開かれる一箱古本市などに出店していたが、できるだけ手間をかけずにみんなが喜ぶ方法はないかと考えていた」と続ける。

 同蔵書室の鈴木章夫室長に相談すると「家に埋もれているたくさんの本に再びスポットを当てようというスタイルは、家にある鎌倉本を持ち寄ってもらうカマゾウとの相性もいい」と賛同、イベントにする話が進んだ。

 来場者は開催時間中ならいつでもテーブルに本を並べることができ、欲しい本があれば購入することもできる。金額は任意で、傍らに置く箱に1冊につき100円以上を寄付する。「自分で買いたいと思った値段を自分で付ける面白さが味わえ、本の価値を再認識することもできるのでは」と小泉さん。当初は会員だけで開こうと企画したが、より多くの人に楽しんでいただこうと一般にも開放することに。当日は寄付か購入の一方だけでも参加できる。

 鈴木さんは「値札の準備も店番さえもいらないというユルさがカマゾウにぴったり」と笑う。持ち寄る本はジャンルも形状も量も問わない。残った本は責任を持って図書館に寄付するという。

 小泉さんは「当日の売上は、場所代と今後のカマゾウの活動に役立ててもらう。出品者も、買いたい人も、本も、カマゾウもうれしいイベント。どんな本に出会えるか、楽しみに来ていただければ」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~16時。入場無料。

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