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鎌倉の古刹で開く「扉」 親子で楽しめるクラシックコンサート

境内の「三蔵」が会場。鎌倉や湘南にゆかりのある音楽家たちの熱演に子どもたちも聞き入った(昨年の様子)

境内の「三蔵」が会場。鎌倉や湘南にゆかりのある音楽家たちの熱演に子どもたちも聞き入った(昨年の様子)

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 鎌倉の覚園寺(鎌倉市二階堂)で11月9日、親子で楽しめるクラシックコンサート「扉~扉を開いた音楽家」が開かれる。主催は、鎌倉の文化と人と街をつなげる活動を行う団体「プチトラン」。

フライヤーを手にする林さん。「鎌倉でしか味わえないスペシャルなひとときを体感して」

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 昨年10月にも同寺で開き、100人以上の大人や子どもが集まり一流音楽家の演奏に耳を傾けた。「特に子ども向けのプログラムだったわけではないが、全員が最後まで集中して楽しんでいた姿が印象的だった」と話すのは同団体代表の林彩(はやしあや)さん。「開演前に静かな境内の奥で特別拝観した後だったため、落ち着いた気持ちのまま演奏を聞けたのが良かったのでは」と続ける。

 「子どもが飽きずに聞いていたことが驚きだった」「親子で非日常を体験できた」「ホールで聞くのとは全く異なり感動した」「窓の外が秋景色で、目と耳と体で楽しめた」などの声が届いたという。「今年も本格的な演奏を鎌倉らしい雰囲気の中、子どもにも大人にも楽しんでもらいたい」と2回目を企画した。

 今回のテーマ「扉」について林さんは「令和になり新しい時代が始まったことを実感した年。新しい扉を開くことを意識した音楽会に。堅いイメージがあるクラシックを、さまざまな角度から感じていただきたい」と話す。

 演奏するのは、メゾソプラノの徳永桃子さん、ピアノの馬場祥子さん、バイオリンの清岡優子さん、チェロの福井綾さん。ピアノと編曲の徳永洋明さんが司会も担当する。演目はアヴェマリア、トルコ行進曲、魔笛の主題による変奏曲、子犬のワルツなど聞きなじみのある曲なども。クラシックを聞く機会のない人でも楽しめる構成にしたという。

 「クラシック音楽は古典という認識だが、歴史は500年程度。覚園寺の800年もの歴史からすれば、クラシックもロックやポップスのような存在かもしれない」と笑う。「今回はジャジーなバッハ、オペラというくくりでクイーンの曲などを演奏するかも」と期待する。「どんなオペラでも必ず扉を小道具として使うというのを後から聞いて、何か縁を感じた」とも。

 同寺は路線バスの終着停留所から10分ほど歩いた行き止まりの谷戸(やと)に位置する古刹(こさつ)。木造薬師三尊座像ほかが国の重要文化財に、境内も国の史跡に指定されている。当日は開場時間の12時40分から、境内奥にある五大明王などを特別拝観できる。

 林さんは「音楽も誰かが扉を開いて新しい流れをつくってきて今がある。日常でも誰もが1日に1度はドアを開けるはず。扉を開くということを実感して、一人一人があらためて何かを考えるきっかけになれば」と話す。

 開催時間は14時。開場・特別拝観は12時40分。チケット(拝観料含む)は、大人=7,000円、子ども=3,500円(3歳以下無料)。

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