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若宮大路沿い商業テナントビルに個人利用もできるシェアオフィス「鎌倉ビジネスラボ」

「ショッピングゾーンの中のワークスペースは珍しいはず」と小田切さん

「ショッピングゾーンの中のワークスペースは珍しいはず」と小田切さん

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 鎌倉の若宮大路に面した大路ビル(鎌倉市小町2)1階に10月1日、個人のテレワークや起業を応援するシェアオフィス「鎌倉ビジネスラボ」がオープンした。

入居する大路ビルの外観。1階には物販店が、2階には飲食店が並ぶ

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 同ビルは1978(昭和53)年築。1階と2階に物販店と飲食店など合わせて12店舗を入れ、3階ではレンタルスペース「カルチャースペース鎌倉」を運営している。「鎌倉ビジネスラボ」が入居するのは1階の1室で、面積は18.8平方メートル。やや奥まった一画で、空き物件になっていた。

 同ビルスタッフの小田切陽三さんは「駅から5分とはいえ、コロナ禍もあり、目的を持って来店してもらえるスタイルの店でなければ長続きはしないだろうと募集には慎重になっていた」と振り返る。

 一方で、コロナ禍だからこそ新たに事業を始めたい人をサポートできないものかと考えていた小田切さん。たまたま知り合いのデザイナーが自宅以外の仕事場を探しているという話を耳にしたが、「コワーキングスペースのような一時的な利用ではなく、仕事で使うパソコンや道具などを置いたままにできる物件が理想。一般的なシェアオフィスを借りるとなるとかなり予算オーバー」だと聞いた。別の個人事業主から「事務所を借りるほどの余裕はないが、小さな拠点が欲しい」という話も聞いたことから、空き物件を1業者に賃貸するのではなく、複数に貸し出すシェアオフィスとしての活用を検討。「同物件を店舗ではない形態で活用するのは初めて。小さな1室だが、ビルとしては大きなチャレンジになった」と話す。

 市内にシェアオフィスやコワーキングスペースが増えていることから競合は多いと考えた小田切さんは「他と比べスペースが狭い分、サービスを手厚くして料金も低めに設定。事務所としてだけでなく、会社員がテレワークなどにも利用してもらえるようサービスを提供することにした」と話す。

 ラボ内には、パーティションで仕切った8つのテーブルを用意。幅100センチのデスクをビジネス利用として、幅80センチのデスクを個人利用の固定席として、それぞれ貸し出す。Wi-Fiや電源コンセントのほか、鍵付きの専用ロッカー、ラック、荷物の代理受け取りなどを無料で提供する。プリンターやコピー機、FAXは有料。予約すれば、無料で3階の1部屋を作業やミーティングなどの目的に限り無料で使えるようにした。

 同ラボでは、住所登録(3カ月更新)、法人登記(1年更新)とも追加料金なしで利用できる。小田切さんは「起業や起業に向けたファーストステップを応援できればと考え、最低限必要な環境を整えた」と胸を張る。

 現在入居者を募集している。小田切さんは「テレワーカーやクリエーターのワークスペース、プライベートな活動拠点、事務所やセカンドオフィスなどさまざまな使い方ができる。入居する皆さん同士ががつながり新しい仕事が生まれればうれしい。まずは気軽に見学や相談を」と呼び掛ける。

 利用時間は9時~21時。月額料金は、ビジネス利用=1万8,000円、個人利用=1万5,000円。

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