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鎌倉にコーヒー提供のキッチンカー サーファー店主がかなえたもう一つの夢

レトロな外観のホテルを背景に鮮やかなブルーの車体が映える

レトロな外観のホテルを背景に鮮やかなブルーの車体が映える

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 キッチンカー「ダブルトールコーヒー」が鎌倉駅西口のホテルニューカマクラ(鎌倉市御成町)の駐車場で営業を始めて2カ月になる。

ブルーのエプロンを着けた桑原さん

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 コーヒーや焼き菓子などのテークアウト販売を行う同店。昨年6月28日、金刀比羅宮(東京都港区虎ノ門)境内に初めて出店。知人の紹介で11月6日、同所で営業を始めた。ブルーの小型トラックで営業する「コーヒートラック」を名乗る。

 1995(平成7)年から東京・神宮前でエスプレッソを提供している「ダブルトールカフェのクオリティーをそのまま提供している」と胸を張るのは、店主の桑原祥作さん。「東京から鎌倉に移住してきたというお客さまに『鎌倉で飲めるとは』と驚かれたこともある」と話す。店内には、同店と同じエスプレッソマシンや紅茶エスプレッソマシン、ミスクスチーマーを備える。

 友人からコーヒー焙煎(ばいせん)の手ほどきを受けたのをきっかけにコーヒーの奥深さを知り、カフェ巡りをしていたという桑原さんが初めて同店を訪れたのは2017(平成29)年。「学生時代の先輩が同店の店主・齊藤正二郎さんと知り合いだと聞き紹介してもらった」と桑原さん。同店のコーヒーを飲んで「プロが探求してきた味にはかなわないとショックを受けた」と振り返る。

 同店を気に入り通い詰め、週末には齊藤さんの誘いで同店を手伝い始めた桑原さんは、コーヒーの入れ方を学ぶうちにカフェを営業する夢が芽生えたという。「齊藤さんと相談を重ねるうちにコーヒートラックのアイデアが生まれた」と話す。2019年10月には、友人らと共に「ストークコーヒーインダストリー」(東京都渋谷区東)を設立し、コーヒートラックを完成させた。

 桑原さんは会社員だった8年前、思う存分サーフィンをするという夢をかなえるため、もっと海の近くに住みたいと横浜から鎌倉に転居している。初営業以来、徐々にリピーターが増えたものの「コロナ禍で大きな伸びが期待できないため、思い切って自宅のある鎌倉に拠点を移すことにした」と桑原さん。「サーフィンに加え、カフェというもう一つの夢を鎌倉でかなえる想定はなかった。独立時にキッチンカーを選んでよかった」と話す。

 「有名店からのれん分けしてもらったとはいえ、鎌倉での認知度が心配だったが、知っている、飲んだことがあるというお客さまも多い」と手応えを感じ始めている桑原さん。「飲んでもらえばおいしさが分かってもらえるはず。当初は駐車場の利用客や通勤客が客の中心だったが、徐々に地元の人や観光客も増えてている」と話す。

 メニューは、エスプレッソ(350円)、カフェラテ、カフェモカ、カプチーノ、本日のドリップコーヒー、ティーラテ、ほうじ茶ラテ、フレーバーティーラテ(以上500円)、ティースカッシュ(600円)、焼き菓子(350円)など。桑原さんは「ティーラテは、茶葉からエスプレッソ抽出してスチーミングミルクを注ぐ本気の一杯。はまってリピートする人も多い」と話す。

 桑原さんは「鎌倉のあちこちに出店し、コーヒーで皆さんに喜んでもらうのが次の夢。今後はトラックのオーナーになりたい人や営業できる場所も募っていきたい」と意気込む。

 同所での営業時間は11時~18時。月曜・火曜定休。1月22日・23日はイベント出店のため不在。

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