鎌倉市観光商工課(鎌倉市御成町)は「知られざる鎌倉発掘プロジェクト」第1弾「鎌倉これあらた(維新)プロジェクト」を立ち上げ、1月13日からクラウドファンディングで支援者を募っている。
「幕末関連の書が保管されている宝物殿」の案内板が設置される鎌倉宮。写真は創建当時の明治4年~6年に撮影されたものといわれている
同市では2014年から、鎌倉の魅力を伝えながら施設の整備や観光客の分散化を目的に、案内板に寄付者の名前を刻む「かまくら想いプロジェクト」を実施している。初年度は神社仏閣などの行き先を示す観光ルート板を、次年度は観光スポットを示す地区案内板、昨年度は大船観音寺の名所掲示板を設置した。寄付者は延べ196人で、居住地の内訳は市内と市外がほぼ半々だったという。
「来年が明治維新から150年という節目を迎えることから、今回は鎌倉時代ではなくあまり知られていない幕末や維新といった激動の時代をクローズアップすることにした」と話すのは同課の片桐良太さん。「観光客が集中するスポット以外の場所でのエピソードが見つかった」と続ける。
新たな案内板の設置場所として予定しているのは5カ所。法華堂跡には「薩摩藩・長州藩ゆかりの墓について」、鎌倉宮には「幕末関連の書が保管されている宝物殿」、瑞泉寺には「長州藩士吉田松陰と瑞泉寺」、小動神社には「幕末相模湾の守りを固めた八王子山遠見番所」、下馬には「鎌倉でも起きていた英国士官殺傷事件」を表記する。板面には資料写真や概略などのほかQRコードも掲載し、スマホなどで読み取るとホームページが表示され詳細が確認できる仕組み。
募集はネットで支援者を募るクラウドファンディングを採用し、目標額を50万円に設定した。個別の支援額は1,000円、3,000円、1万円の3コースを用意するが、プレートに名前を掲出するのは1万円の場合のみ。期間は2月28日23時までだが、目標額を達成した時点で終了する。達成できなかった場合も案内板は設置する。
片桐さんは「鎌倉観光の基本理念は『住んでよかった、訪れてよかったまち』。これからもより過ごしやすく楽しい場所にしていくために、住民の皆さんにも鎌倉ファンにもお申し込みいただければ」と広く寄付を呼び掛ける。
クラウドファンディング支援の方法などはホームページで確認できる。