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「理想の教育って何だろう」 鎌倉の中高生が議論重ね最終発表

シャンティハウスで、対面で初めて男女がそろい、意見交換はさらに活発に

シャンティハウスで、対面で初めて男女がそろい、意見交換はさらに活発に

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 鎌倉の中高生たちが主体となり活動を進めてきた「子どものワークショップ~理想の教育って何だろう~」の最終発表会が7月30日、鎌倉商工会議所(鎌倉市御成町)で開かれる。

男子のみの参加だった第1回

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 主催したのは、「誰もがありのままでいられる」場所作りなどを目指して活動する財団法人「シャンティハウス」(鎌倉市雪ノ下)。今後の社会の担い手となる子どもたちが将来の展望を語り合うことで、大人になってから、さまざまな挑戦ができる土台を養う場となるよう企画した。

 「今回のテーマは、前回のワークショップの中で出てきたワード」と話すのは、鎌倉学園高校3年の中島惇生さん。昨年9月から全5回20時間にわたり、シャンティハウスがテスト的に開いた第1回「子どもワークショップ」に参加した。「『理想の世界』をテーマに、国や社会、町、学校などについて議論したが、僕らが直面している教育について、もっと意見交換してみたいと考えた」と続ける。

 中島さんは「どうせやるのなら大人が考えてくれた枠組みの中ではなく、最初から学生主体で進めてみたかった」と提案し、4月ごろからプログラム立案、チラシ制作、参加者募集などに取り組んだ。市や教育委員会への説明と後援の依頼なども、中島さん自ら足を運んだ。その際のアドバイスのほか、場所の提供、ワークショップでのファシリテーションなどは、母親でシャンティハウス代表の幸恵さんがサポートした。

 集まったのは、中学2年生女子2人、高校1年生女子1人、高校3年生男子4人の7人。「日程が合わずに、男子ばかりだったり、女子ばかりだったりしたこともあったが、メンバーに共通していたのは、受けている教育に不満を持っていること、子どもが主体的かつ自由に勉強したいという意見を持っていることだった」と中島さん。「ただ、具体的な意見となるとそれぞれ異なっているので、一つにまとめるのは難しくもあり、同時に楽しい作業でもあった」と振り返る。

 ここまでオンラインを含め5回のワークショップを開き、28日の準備と30日の最終発表を残すところとなった。発表当日は「私たちが考える理想の教育について」のプレゼンテーション、参加者による「理想とする授業」の実践、「理想の教育って」をテーマに観覧者も交えたパネルディスカッションを行う。

 発表を前に、中島さんは「自分も含めメンバーは緊張しているが期待も大きい。胸を張って発表したい」と話し、「難しいテーマで、分からないことや結論が出せないこともある中で、今教育を受ける側にいる自分たちなりに考え抜いた。より多くの人たちが『理想の教育』を考えるきっかけになれば」と来場を呼びかける。

 幸恵さんは「ワークショップを通して子どもたちの思いや意見をたくさん聞くことができた。発表では、その思いや意見を自分なりに堂々と発表してほしい。その場で起こる観覧者との化学反応や自分の内側に起こる変化や感情を楽しんでもらえれば」と話す。シャンティハウスでは、今後もさまざまなテーマやさまざまな年代で「子どもワークショップ」を開いたり、将来は出張授業として教育現場に広げていきたいという。

 開催時間は13時15分~16時30分。入場料は、大人1,000円、18歳以下無料。定員70人。

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