鎌倉の日本画美術館で子ども向けに木版画印刷体験 夏休みの自由課題にも

当日進呈する教則本と完成見本を手にする学芸員の今西さん。教則本の制作にも携わった

当日進呈する教則本と完成見本を手にする学芸員の今西さん。教則本の制作にも携わった

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 鎌倉市鏑木清方(かぶらききよかた)記念美術館(鎌倉市雪ノ下1)で8月18日、小中高生を対象に夏休み体験プログラム「木版画の多色摺(たしょくず)りに挑戦しよう!」が開かれる。

同館の展示スペースには多色刷の工程が分かる絵も。当日は今西さんの解説で作品の鑑賞からスタートする

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 同館は1878(明治11)年に神田で生まれ、女性や庶民生活などを描き近代日本画の巨匠といわれた鏑木清方の自宅跡に1998年開館した。

 多色刷は江戸時代から浮世絵の制作に用いられた技法で、110年ほど前の明治時代まで発展を続けた。若いころ挿絵画家だった清方の作品も同技法で刷られたものが多く残っている。

 現在学校教育で日本画を学ぶ機会はほとんど無く、日本画家や画材を作る職人も減る傾向で、日本画を取り巻く文化の存続の危機に瀕しているという。同館では今後も文化を守り継承していくために日本画に親しむワークショップなどを開いており、今回は子ども向けに企画した。

 当日は同館学芸員・今西彩子さんとともに館内の展示物を鑑賞。国際浮世絵学会常任理事の新藤さんによる多色刷の実演の後、参加者はあらかじめ彫られた4種類の絵の版木に1枚ずつ色を塗り、紙に重ねて刷って作品を完成させる。水彩絵の具を使うが、筆で描くのとは異なり木版ならではの味わいが出るという。小学3年生以上の希望者には木版を彫る体験も用意する。

 新藤さんは同館が今年刊行した多色刷の子ども向け教則本の監修者。同書は清方の作品「洗ひ髪」を題材に、下絵の描き方、版木の彫り方、複数の版木で色を重ねる多色刷の技法まで80枚の写真とともに分かりやすく構成している。参加者全員に同書を進呈する。

 今西さんは「江戸から明治時代にかけて最先端の印刷技術だった木版。当時の職人さんの仕事を実際に体験できるので夏休みの自由研究にも最適。楽しみながら学んでいただければ」と話す。

 開催時間は13時30分~15時。参加費は800円。申し込み・問い合わせは同館(TEL 0467-23-6405)まで。

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