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鎌倉・建長寺で不登校の「その先」を考えるイベント 専門家や市長招き

不登校の子どもたちが制作にも関わったというフライヤーを手にする同施設のスタッフら。左端が水澤さん

不登校の子どもたちが制作にも関わったというフライヤーを手にする同施設のスタッフら。左端が水澤さん

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 鎌倉・建長寺(鎌倉市山ノ内8)宗務本院2階「応真閣」で4月22日、「フリースクールLargo」(鎌倉市常盤)のオープニングイベント「きみの笑顔が見たい~不登校の『その先』~」が開かれる。主催はNPO「梶原あそび基地」。

「梶原あそび基地」は、元工務店の作業場を職人さんや地域の人たちといっしょに改装。竹を切り出し裂いて編んで土壁を塗る「竹小舞工法」のワークショップも開いた

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 2012年に設立、2016年から民間学童保育「ふかふか」(鎌倉市常盤)を運営している同NPO。代表の水澤麻美さんは「工務店さんが使わなくなった作業場を提供してくださり、たくさんの方の協力でリフォームし学童をスタートした」と話し、「その後、周囲に学校になじめず不登校となっている子や、その対応に悩むご家族が多かったことから、空いている午前中を使いフリースクールを始めることに」と立ち上げのきっかけを振り返る。

 昨年9月にプレオープンし5~6人が在籍した。一つの施設で学童とフリースクールを運営することで「子どもたちの自然な交流が始まり、思ってもいなかった相乗効果も出ている」と言う。

 文部科学省のデータでは2016年度の小中学校の不登校の子どもは全国で約13万人。5年間で2万人以上も増加しているという。今回のイベントは、不登校の子どもたちや家族、教育関係者、不登校に関心のある層だけでなく、一般の人にも不登校を理解してもらおうと企画した。

 同日は、東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授が、不登校の子どもたちを対象に世界中の超一流たちと学ぶプログラム「ROCKET PROJECT」も紹介。学校になじめないことを悲観する必要がなく、眠っている才能や好きなことを伸ばしていくことで社会に出ていけることなどについて講演する。同プロジェクトにも所属しLargoに通う生徒も登壇する。

 第2部は、中邑さんと鎌倉市長の松尾崇さん、Largoのファシリテーター滝田衛さんのトークセッション。不登校の子どもたちの鎌倉での「その先」をいっしょに考えていく。

 フライヤーのイラストや筆文字、キャラクターなどもフリースクールの小中高生たちが描いた。今回のイベントのオープニング映像も高校1年男子の作品。映像で使った古い写真は、場所を提供し今も同スクールの上階に暮らすおじいさんといっしょに選んだという。「最初は目も合わせてくれなかった彼も今ではスタッフのような存在。今回のイベントでさらに成長してくれそうで楽しみ」と水澤さんは顔をほころばせる。

 学校から離れた立場の民間として、地域の人に関わってもらいながら理解を深め、今後はほかの地域のフリースクールと交流する活動なども行っていくという。

 水澤さんは「不登校は自分ごとにならないと考えてみる機会もないと思う。学校に行けないのではなく、行かないという選択肢もあり、今は異なる学びの形もあることなど、まずは不登校を理解していただくきっかけになれば」と話す。

 開演時間は13時(受け付けは12時~)。参加無料(別途同寺拝観料が必要)。申し込み方法はホームページで確認できる。

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