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実物大の江ノ電模型が市庁舎前に 使用済みパック再生したブロック製

完成した江ノ電の模型の前に並ぶ関係者。おそろいのTシャツはアウトドアメーカーのパタゴニア製

完成した江ノ電の模型の前に並ぶ関係者。おそろいのTシャツはアウトドアメーカーのパタゴニア製

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 鎌倉市役所(鎌倉市御成町)前庭で4月27日、洗剤やシャンプーなどの詰め替えパックからできた再生樹脂ブロックで製作中だった江ノ電などの模型が完成し式典が開かれた。

現役最古の車両300系をモデルにした。ライトなどに使っのは高さ1センチ、幅3センチ、奥行き1.5センチの小型ブロック

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 きっかけは、地域活動を応援するNPO法人「カマコン」の例会で花王(東京都中央区)が新しい容器リサイクルについてのアイデアを募ったこと。同NPO代表の柳澤大輔さんは「ブロックで実物大の江ノ電を作ろうというアイデアが出て、江の電や市役所、市民の協力へとつながり今日に至った」と振り返る。

 昨年10月5日、市役所前に回収ボックスを設置したのを皮切りに、行政センターや江ノ電鎌倉駅構内などにも設置。市内の小中学校にも回収を呼び掛けた。

 半年で集まったパックは3万8745袋。裁断・洗浄しペレットにした後、3875個のブロックに成形した。1個の大きさは高さ5センチ、幅16センチ、奥行き8センチで、実物大の江ノ電の模型と安野モヨコさんの漫画のキャラクター「オチビサン」の形に積み上げた。ブロックからは石けん系の香りが漂う。

 式典であいさつに立った松尾崇市長は「市民の熱意と努力に敬意を表したい。全国でもトップクラスのリサイクル率を誇る鎌倉で、今後も楽しみながら世の中をよくする取り組みを連携して継続していければ」と話した。

 「花王の商品は容器を使って届けている。中身は暮らしをよくするものだが容器はゴミなので何とかしなければと取り組んできて生まれたのが『リサイクリエーション』」と話すのは同社の長谷部佳宏専務。リサイクリエーションとは単なるリサイクルで終わることなく、次のクリエーションにつなげていくことだという。「今回の鎌倉での試みは最初の一歩で、日本の標準として世界に発信していきたい」と抱負を話した。

 式典で市内のガールスカウトに所属する小学生らが車両のライトや行き先表示版を取り付けて完成した。車両の模型には乗ることができ、ボタンを押すと発車ベルや走行音が鳴る。展示は5月31日まで。

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