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鎌倉のコミュニティー通貨「クルッポ」で楽しむ「まちのもったいない大マーケット」

シードペーパー塗り絵ワークショップには子どもたちが集まった(1回の様子)

シードペーパー塗り絵ワークショップには子どもたちが集まった(1回の様子)

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 フードロス削減やゴミの減量など社会的課題をコミュニティー通貨「まちのコイン」を使って楽しく解決する「まちのもったいない大マーケット」が10月31日、鎌倉駅近くの「まちの社員食堂」(鎌倉市御成町)などで開かれる。

フードバンクに寄付された食材でシェフが腕を振るう「まちの社員食堂」

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 同コインは、神奈川県の「SDGsつながりポイント事業」の一環で、住民や店舗、企業などがポイントを通してつながりながら社会的課題解決を目指すツールとして2019年9月に誕生した。現在は、東京都や長野県、大阪府、岡山県、鳥取県、福岡県、沖縄県内の市町村など13のエリアに広がっている。

 利用するには、スマホにアプリ「まちのコイン」をインストールし、店舗やスポット、イベントなどで用意するQRコードを読み込み、コインをもらったりあげたりして楽しむ。カフェにマイボトルを持参してコインをもらったり、たまったコインで規格外の野菜を手に入れたりできるが、現金とは交換しない仕組み。

 今年1月から本格的に運用を始めた鎌倉のコインの単位は「クルッポ」で、10月26日現在のユーザー数は4322人。登録スポットは、市役所、寺院、駅、店舗、カフェ、宿泊施設、コミュニティー、企業など167カ所を数える。

 同マーケットについて、今回のイベントを主催する「まちのマーケット実行委員会」の來島政史さんは「規格外や廃棄予定、賞味期限切れが迫る食品など、地域の『もったいない』をコインで一堂に集めて、コインで受け取ってもらう場で、コインでできる体験やライブなども用意した」と説明する。

 第1回は3月に面白法人カヤック(御成町)の「ぼくらの会議棟」で、第2回は6月に「深沢ワンパーク」(深沢)で、それぞれ開いた。來島さんは「今回は規模を拡大し、『まちの社員食堂』など御成通りに3カ所設ける会場を回遊して楽しめるイベントにする」と意気込む。

 「まちの社員食堂」会場では、「ふらっとカフェ鎌倉」が運営するフードバンクが寄付を受けた食材や規格外食材を使って1日限りのレストラン「クルッポ食堂」を開く。調理するのは、米国のミシュラン3つ星レストラン出身で現在はレストラン「季音」店主の村野敏和さん。來島さんは「鎌倉のもったいない食材がどんな料理になるのか楽しみ。事前予約制なので早めに申し込みを」と呼び掛ける。

 「ガーデンオフィス」会場では、生ゴミ処理機「キエーロ」の考案者・松本信夫さん自らが組み立てる過程を公開する「Myキエーロ作成ワークショップ」を開く。

 「ぼくらの会議棟」会場では、鎌倉のウクレレフォークソングユニット「小川コータ&とまそん」のライブや前田有紀さんと阿部真美さんの対談などのプログラムを用意する。

 各会場では、まちのコインに登録している店舗や団体などが「もったいない」をテーマに、ドリンク用のタンブラー、子どもが使った教材、ハロウィーン衣装の回収・交換、エシカル商品の量り売り、オーガニックコスメ販売、アップサイクル商品の展示販売、フードドライブなどのブースを出店する。参加者はクルッポを使って出店者が用意した体験をしたり商品を手に入れたり、チェックインや手伝いなどでクルッポを獲得したりできる。

 來島さんは「まちのコインがスタートして9カ月。たくさんの店やイベント、人とのつながりができ、さまざまなエピソードが生まれた。今回は、クルッポを通してできた縁やつながりから生まれたさまざまなコンテンツを体感できるイベントになっている。マイバッグを手に、友人や家族と一緒に気軽に遊びに来てほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~16時30分。

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