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鎌倉の古美術ギャラリー、「タイトルのない絵画」展示販売へ

古美術品やアンティーク家具と共に壁には新たに絵画を掛けた

古美術品やアンティーク家具と共に壁には新たに絵画を掛けた

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 鎌倉のギャラリー「Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム オスティウム)」(鎌倉市浄明寺)が10月6日、絵画の展示販売を始める。絵画のタイトルや作品名は、あえて明らかにしない。

店主の黒田さん。展示販売する絵画などの前で

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 店主の黒田幸代さんが自宅1階を改装し、昨年10月から日本や中国、朝鮮半島などのアジアから、ヨーロッパ、アフリカ大陸などの古美術品を展示販売している同ギャラリー。急な階段を上った山の頂上付近に立っていることから、「天空に浮かぶギャラリー」と呼んだ客もいたといい、建物を紹介するテレビ番組でも取り上げられた。

 店名はラテン語で「十字路の入り口」という意味で、「さまざまな時代・場所で作られた作品を受け継ぎ、次の時代へ引き継ぐ場所にしたい」と黒田さん。新たな展示販売については、「古美術品の枠にとらわれず、もともと好きで買い求めては自宅の壁に飾っていた絵画も見てもらおうと考えた」と話す。

 展示販売するのは、油絵、水彩画、リトグラフなどの平面作品約20点。価格は5,000円台から。アート作品の購入が初めてという人にも購入しやすいように、すぐに部屋に飾れる小品を中心にそろえる。

 いずれの作品も、タイトルや作家名はあえて明らかにせず販売。黒田さんは「たまたま立ち寄ったカフェや病院の待合室などで、タイトルや作家名が分からなくても壁に飾ってある絵画が気になることがあるのと同じ感覚で、気軽に見てほしい。情報や由来にとらわれず、五感で作品に込められた思いや芸術性を見いだしてもらえれば」と話す。

 古美術に関心を持ってもらおうと昨年から、市内で月に1回、「古美術に触れて愛でる会」を開いてきた。古美術品を囲んだ参加者が、事前情報なしに自由に意見や感想を語り合うワークショップで、アメリカ発祥の対話型美術鑑賞「VTS(Visual Thinking Strategy ビジュアル シンキング ストラテジー)」を参考にしているという。

 「展示販売では、VTSをギャラリー内で再現していく。目の前の絵画と向き合って想像を働かせる楽しいひとときになるはず」と黒田さん。「ギャラリーのあちらこちらに絵画を飾る作業も楽しかった。古美術やアンティーク家具と併せ、宝探しの感覚でお気に入りの作品を見つけてほしい」と話す。

 営業時間は、10時~12時、14時~18時。要予約。

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