
地元ゆかりの音楽家らによる演奏会「レゾナンス『鎌倉のひびき』コンサートシリーズ2025」が5月1日、鎌倉市内のギャラリーや寺院で始まる。
「鎌倉にはたくさんの音楽家が暮らしているが、住民はコンサートの度に東京や横浜に出かけなければならないため、地元でも開こうと始めた」と話すのは、オーボエ奏者の吉井瑞穂さん。第1回は2015(平成17)年4月、市内のホールやカフェ、寺院などを会場に開いた。「静かなホールだけでなく、風の音や小鳥のさえずりも聞こえる中、鎌倉の自然と文化が響あうイメージで、タイトルも英語で『共鳴』を意味する『レゾナンス』と名付けた」と続ける。
翌年からコロナ禍のため休止する2019年まで、寺院や教会、幼稚園、大学の学舎、博物館などで開いた。雅楽とクラシック、三味線とクラシックとダンスなどジャンルを超えた共演も続いた。
吉井さんは「また開いてほしいという声やたくさんの方の応援もあり、6年ぶりに企画した。今回は、ますます『共鳴』が楽しみなプログラムが目白押し」と話す。
5月1日・2日の会場は、若宮大路沿いの「鎌倉ギャラリー」(小町)。アリスター・シェルトン・スミスさん(バリトン)、鈴木大介さん(ギター)、大高麻梨絵さん(ピアノ)の共演で、第1回で好評だった曲目を再演。コーヒー付きで、「心地いいメロディーとコーヒー香りに包まれて楽しんでほしい」と吉井さんは話す。
4日・5日は、鎌倉の古刹「覚園寺」(二階堂)の三蔵(ホール)で、異なるジャンルのコラボレーション演奏を行う。4日は、ジャズの松井秀太郎さんとクラシックの佐藤友紀さんのジャンルの異なるトランペット奏者が共演。5日は、尺八の藤原道山さんとオーボエの吉井瑞穂さんによる東洋と西洋の異なる楽器演奏者の共演。両日とも開演前には、新緑に包まれた境内でプレ演奏を行う(雨天中止)。開場の13時30分からはワインとソフトドリンクを販売。5日11時から、藤原道山さんによる尺八体験ワークショップも開く。
吉井さんは「私たちの大好きな鎌倉で、歴史や文化、自然に、音楽の響きがそっと寄り添い、来場者の心と共に平和の波が静かに広がっていく、そんな時間を分かち合えたら」と来場を呼びかける。
1日・2日は14時40分開演、料金は4,000円(25歳以下2,000円)。4日・5日は14時30分開演、料金は6,000円(学生3,000円)。5日の尺八ワークショップは参加費3,000円(別途、特別拝観料500円)。各日とも定員に達し次第販売終了。