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路地の奥にコケ専門店 見学できる珍しい「ミズゴケ」湿原庭園も

コケテラリウムの作品。ワークショップに参加すれば店内で販売しているパーツで自作も。窓の外にはミズゴケの湿原庭園が見える

コケテラリウムの作品。ワークショップに参加すれば店内で販売しているパーツで自作も。窓の外にはミズゴケの湿原庭園が見える

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 コケ専門店「苔むすび」(鎌倉市由比ガ浜2)で5月12日・13日、コケの作品展示や販売、ワークショップ、ツアーなどを行う「鎌倉苔展」が開かれる。

フライヤーを手にする園田さん。畳敷きだった古民家の和室がセンスのいい内装に生まれ変わった

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 コケをテーマにしたインテリア雑貨の製作販売や教室などを開いている同店。由比ガ浜通りから車も入れない狭い路地の奥にある古民家を改装して3月10日、開店した。「観光客もほとんど通らないし、ここを目指さないとたどり着けない場所。一人でやるのでちょうどいいかと思って」と笑って話すのは店主の園田純寛さん。「ここに決めたもう一つの大きな理由が庭付きだったこと」で、独自の技術でミズゴケの栽培をする湿原庭園を設け、「今のところ研究機関以外では、一般の方が目にできるのは世界でもここだけ」と胸を張る。

 園田さんは中学生のころに見た映画「もののけ姫」で森やこけむした緑の世界に引き込まれ、大学は農学部へ。大学院時代に調査のため訪れたフィンランドで黄金に輝くコケの風景に出合い、本格的に足を踏み入れた。「当時はコケを育てることができる人が少なかった中、独学ではあったがノウハウを身に付けていった」という。

 卒業後は一般企業に就職したが7年後の2016年9月に退職し、ガラス容器の中で標本のようにコケを栽培するコケテラリウムの卸や通販を始めた。ギフトショーに出展したのがきっかけで、百貨店や雑貨のセレクトショップ、大手書店などから引き合いが相次いだ。各地で開いたワークショップで「ちゃんと育てたい人が想像以上にいることも分かり、伝える場が必要」だと感じ、「文化として定着させていくために拠点を」という思いから実店舗を持つことに。

 店舗面積は約33平方メートル。中央にワークショップ用のテーブルも用意し、コケテラリウム作り、コケ編みなどの講習も受け付ける。ゆっくり過ごしてもらおうと、フレンチプレスで抽出するコーヒー(450円)も提供する。

 同展では、全国から集めたコケの作品や関連商品を展示販売するほか、関東初展示となる「Mosslight-LED」やミズゴケ湿原庭園の公開、コケ柄の消しゴムはんこやトートバッグ作り、ミニチュアガーデン作りなどのワークショップ、鎌倉のコケを見て歩くツアー「苔旅」も開く。

 園田さんは「コケはジメジメ、ヌルヌルしているイメージからマイナスに受け取られることが多い。実は乾燥に強く、二酸化炭素の吸収量が多く、緑化にも役立っていて何より美しい。本当のコケの姿を知るきっかけになれば」と来店を呼び掛ける。

 同展の開催時間は10時~17時。入場無料。通常営業時間は11時~16時30分。金曜定休。

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