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鎌倉のラーメン激戦区に中華そば「トランポリン」 女性ヨガインストラクターが転身

オープンキッチンでカウンター席のみ。どの席からも調理の様子を見ることができる

オープンキッチンでカウンター席のみ。どの席からも調理の様子を見ることができる

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 江ノ電が車道中央を走る腰越商店街に6月17日、女性が切り盛りする中華そば専門店「トランポリン」(鎌倉市腰越3)が開店した。

日替り限定の「しおそば」はクリアなスープが特徴。女性らしく色合いにもこだわった

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 オーナーは市内でヨガのインストラクターとして活躍していた新田直子さん。「東京に住んでいた頃からレッスンの傍ら毎日のように食べ歩いていたし、アルバイトをしたこともある」というほど大のラーメン好き。

 鎌倉雪ノ下に転居して来たのは4年前。自宅兼スタジオで活動しながら、いつかはラーメン店をと物件を探していたところ昨年11月、腰越で手頃な物件が見つかった。「初めて訪れた街はローカルで風情があり、とても気に入った」というが、「元ガレージだったので内外装に予算の倍以上掛かってしまったのが想定外」と笑って振り返る。

 店名には名字を付ける案もあったが、鎌倉幕府を滅亡に追い込んだのが新田氏なので良い印象を与えないのではなどと迷っていた際にアドバイスをくれたのが父親。「店名に意味を持たせる必要はない」と言われ吹っ切れて、たまたま思い浮かんだ響きのいい「トランポリン」という言葉を使うことになった。

 「その後オープンを楽しみにしていた父の具合が悪くなり1日も早くと急いで準備を進めたが、結局間に合わなかった」。しばらく開店の準備が滞ると「近所の人たちがのぞいてくれたり、声を掛けてくれたり、差し入れをくれたりと心配してくれ、とても仲良くなれた」といい、「遅れたことであらためてしっかり準備することができた」とも。

 「あのまま急いでオープンしていたら、きっとうまくいかなかったはず。見つめ直す機会をくれた」と父親に感謝し、オープンは「父の日」にした。

 ターゲットは「近所の人で、観光客は想定していない」。安心して食べられるものを前提に麺は自家製で、スープにも化学調味料や添加物は一切使わない。

 メニューは、中華そば、日替り限定そば(720円)、大盛り(100円)、チャーシュー(230円)、味玉(100円)、チャーシュー飯(280円)。

 面積は約20平方メートルで、席数は7席。藤沢市在住の50代男性は「限定の『しおそば』を食べたが、細麺と澄んだスープの相性も良くおいしい。作り手の人柄が染み出ているようだ」と話す。現在は開店前から列ができることも多いという。

 腰越・江の島エリアは有名系列店から地元の老舗までがひしめくラーメン激戦区ともいわれているが、新田さんは「それぞれが個性的なので全く競合だとは思っていない。自分が食べる立場だったらかえって選択肢が多くてうれしいくらい」と意に介さない。

 「バーチャルなフェイスブックは好きではなかったが、店を始めるのに皆さんがシェアしてくれたりメッセージをくれたりとリアルに応援してくれて涙が出るほどありがたかった。今度は皆さんが笑顔になるよう恩返しができれば」と話す。

 営業時間は11時~16時(売り切れ次第終了)。水曜・木曜定休。

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