コワークングスペース「NEKTON OFUNA(ネクトン大船)」(鎌倉市大船1)が7月31日まで、開設に掛かる費用の一部をクラウドファンディングで募っている。オープンは9月中旬の予定。
ネクトン藤沢の室内。テーブル席と窓に面したカウンター席にコワーカーが集う。大船はこの2倍の面積になる
「最近はどこの街にもあるコワーキングスペースがこれまで大船には存在しなかったから」と立ち上げの理由を話すのは、フジマニパブリッシング(藤沢市藤沢)の三浦悠介社長。同社は、2002年創刊で現在では3万部を発行する湘南エリアフリーマガジン「フジマニ」の編集やイベントの企画運営などを行っている。「2015年からは藤沢駅南口で『NEKTON FUJISAWA(ネクトン藤沢)』、2017年には藤沢駅北口に『NEKTON KITAGUCHI(ネクトン北口)』と2つのコワーキングスペースを運営してきた経験を生かせると考えた」と続ける。
きっかけは、三浦さんと、不動産に特化した広告代理店ネスパ(東京都港区)の安光太郎さんが企画し年1回大船観音寺で開いていた「大船ビアフェスティバル」。東京から通っていた安さんが「大船にもNEKTONのようなスペースがあったら打ち合わせにも便利なのに」とつぶやいたことから。
三浦さんも「大船はJR東海道線、横須賀線、京浜東北線や湘南モノレールが乗り入れる交通の要所。乗降客数も25万人と多く住宅地としてだけでなく、商業や工業も盛んでもともとポテンシャルが高い街なので需用があると感じていた」という。
場所は大船駅から歩いて5分。いつも買い物客でにぎわう大船仲通商店街に建つビルの4階フロアで、面積は約100平方メートル。「藤沢の約2倍のスペースで会議室も2つ用意する」と胸を張る。
「車椅子や足の不自由な方にも安心して使ってもらえるように、湘南初のバリアフリーなコワーキングスペースを」目指し、段差の解消や動線に余裕を持ったスペースを確保するなど工夫を施す。
固定席のほか、住所利用や貸し出しポストも提供。設備はA3サイズ対応スキャナー・コピー機や荷物保管占有ロッカー、400MbpsのWiFi回線など。飲食物の持ち込みは自由で、水や湯は無料で提供する。駐輪場や駐車場との提携など、サービス面の充実も目指す。
「大船を生活の拠点とするフリーランスや会社員などのさまざまな人たちが集う場ができれば、思わぬ相乗効果が生まれる。面白いことをやっている『仕掛人』同士の相互認識と情報交換から、第2第3の『仕掛人』も生まれるはず」と地元起業家も支援する。大船を拠点とする士業家のネットワークとの連携、定期的な交流イベントなども行っていく。会議室は地域団体など一般の利用も想定。学割や学生ボランティアへの場所提供など地域との連携も深めていくという。
開設資金の一部をクラウドファンディングで募っており、目標額は100万円。三浦さんは「これからみんなで作っていく場所になると思っている。大船にゆかりがある全ての人の居場所として、単なる仕事場を超えたスペースにしていきたい。クラウドファンディングもラストスパートに入った。ぜひ支援を」と呼び掛ける。
申し込み方法はホームページで確認できる。締め切りは7月31日23時59分。