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鎌倉に「連泊プランだけ」のホテル誕生 「朝や夜もとことん楽しんで」

元アパートの1室をホテルにした。外観からは判別がつかないが、オーナーの戸井田さんが招く玄関がホテルの入り口

元アパートの1室をホテルにした。外観からは判別がつかないが、オーナーの戸井田さんが招く玄関がホテルの入り口

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 鎌倉大町に10月1日、平日4泊5日と週末3泊4日の連泊専用の宿「ATTA HOTEL 鎌倉」(鎌倉市大町5、TEL 0467-25-5854)がオープンした。企画・運営は建築設計や店舗デザインを手掛けるATTA。

貼り直した床の木の香りが漂い落ち着いた雰囲気のベッドルームは、格子柄の襖(ふすま)が印象的

 すぐ先のトンネルを抜ければ逗子という鎌倉市のはずれの谷戸。車も入れない路地を進むと垣根の向こうに築45年のアパートが現れる。1・2階で1戸になった住居3戸が並ぶテラスハウスの右端の1戸を宿泊施設に改装した。

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 「関連会社の社員寮として使っていた部屋が空いたので活用法を考えた」ときっかけを話す同社社長の戸井田晃英さん。「いくらきれいにしても駅からかなり距離があるため借り手も少ないはずなので、思い切って宿に切り替えることにした」と続ける。

 鎌倉で生まれ育った戸井田さんは30年近く東京で暮らした。2015年に戻って来ると、かつてたくさんあった宿泊施設が姿を消していたことに驚く。以来、鎌倉の魅力あふれる朝や夜を味わってもらうためには、日帰りではなく宿泊が必要だと考えていた。一方で大きな敷地の邸宅や別荘が並ぶ鎌倉らしい景観を残すために、欧米では一般的になっている「定期借地権付きのシェア別荘」を増やしていく構想も持っていた。同ホテルは「その第一歩。まずは連泊の需要があることを実証実験する意味合いも」と話す。

 「あえてゆるゆるとスタートし、まずは旅行サイトに掲載してもらった」ところ、すでに2組が宿泊。今後も予約が入っているという。

 客室は約46平方メートル。1階はリビングとキッチン、トイレ、バス。冷蔵庫、電子レンジ、コイン式の洗濯機や乾燥機を設置している。2階は3畳の前室とベッドルームがあり、4人まで宿泊できる。

 「暮らすように泊まる」をコンセプトに、月曜~金曜の4泊5日の平日プランと金曜~月曜の3泊4日の休日プランの2つを用意。各1組のみ受け付ける。「鎌倉をとことん楽しんでもらいたい」と1泊でも複数泊でも料金は変わらない。

 スタッフは全員が、隣にある同社事務所に常駐する社員。ホテル経験者は一人もいないが地元暮らしなので「間違いなく全員が鎌倉コンシェルジュ」と笑う。6時30分から開いている朝がゆの店を紹介したり、深夜でも開いているバーなどには「いちげんさんでも受け入れてもらえるよう事前に連絡を」入れたりというサービスぶりは、地元に精通した社員ならではの気遣い。「このところ増えているゲストハウスに近いかもしれないが、それ以上のホスピタリティーを提供したいと考え、夢を込めて『ホテル』と名乗った」と胸を張る。

 戸井田さんは「海や山、寺社、店、スポットが盛りだくさんの鎌倉だが、朝や夜をはじめ本当の魅力は連泊してこそ体験できる。鎌倉が好き、憧れている、将来は住みたいと考えている、そんな方に気軽に使っていただければ」と呼び掛ける。

 平日プラン・週末プランとも3万2,400円(同1万6,200円)で、1泊でも複数泊でも料金は同一。チェックイン15時。チェックアウト10時。駐車場は1台1泊1,000円で2台まで。禁煙。ペット不可。