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鎌倉花火大会で「ビーチゴーミング」 今年は事前呼び掛け型回収に挑戦

おそろいで着る水色のTシャツ。今年は北斎の神奈川沖浪裏のイメージで鎌倉沖の水中花火をデザインした(右)

おそろいで着る水色のTシャツ。今年は北斎の神奈川沖浪裏のイメージで鎌倉沖の水中花火をデザインした(右)

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 鎌倉由比ガ浜海岸・材木座海岸で7月10日に開かれる第71回鎌倉花火大会で、今年も市民有志らが「ビーチゴーミング」と名付けたごみ集め自主イベントが行われる。

参加者全員で花火を楽しみ、打ち上げ終了直後に袋を持って立ち上がり周囲の人からごみを集める

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 「花火大会が終わった後や翌朝にごみを拾うのではなく、来場者が砂浜に置いていく前、つまり打ち上げが終わった直後に集めてしまおうという発想で2年前から始めた」と話すのは実行委員の上岡洋一郎さん。「誰に頼まれたわけでもなく勝手にやっている」と笑う。

 一昨年、いったんは中止が発表された花火大会が復活することになった際に何かできないかと考えたのがきっかけだという。会員制図書室「かまくら駅前蔵書室(通称カマゾウ)」(鎌倉市小町1)でメンバーに相談した後、松尾崇鎌倉市長を招いてワークショップを開いた。「さまざまな課題が出たが、自分たちのレベルで手軽にできるのは、やはりごみの問題だった」ためビーチクリーンをすることになった。

 おそろいの水色のTシャツを着て参加した30人が10チームに分かれ、打ち上げ終了後に周囲の来場者に積極的に声を掛けながらごみを集めた。「『ありがとうございます』『ご苦労さま』と感謝されたほか、『プラごみです』『分別した方がいいですか』とほとんどの人が協力的で、ごみに対する意識が高いことも分かった」と振り返る。

 この模様がラジオやSNSで「謎の水色Tシャツ軍団がごみを集めていた」などと伝えられ、公式記録映像にも収められ話題になったことから、翌年も同じ水色でデザインのみ変えて活動を続けた。

 「2年間の経験を踏まえ、今回は打ち上げ前から行動を起こすことにした」と上岡さん。「あらかじめ周囲に分別を呼び掛けながら小サイズのビニール袋を複数枚セットで配っておく。皆さん必ず協力してくださるはずだから」と続ける。今年から海岸に打ち上げられた漂着物を集めたり観察したりするビーチコーミングに「ごみ」を掛けて「ビーチゴーミング」と命名。モットーは「清く、楽しく、美しく」とした。

 逗子でさまざまな活動を行っている「逗子30’sプロジェクト」代表の田中美乃里さんを6月に招きビーチクリーンについて話を聞いた縁で、今年は同プロジェクトのメンバーも参加するという。9月27日の第62回逗子海岸花火大会にはカマゾウの会員が参加する予定。

 上岡さんは「一般の方の参加も大歓迎。頒布価格にはごみ袋代や運営費、保険代などが入っているのでTシャツを購入いただければうれしいが、間に合わなければ近い色の服やタオルを身に着け集まっていただければ」と呼び掛け、「花火を見るのが大前提なので、まずは参加者全員で楽しみたい」と抱負を話す。

 集合時間は16時ごろ。19時20分~20時10分の花火を観賞後、ごみ集めを行い21時前に現地解散予定。参加無料だがTシャツ購入の場合は会員=2,800円、一般=3,000円。

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