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鎌倉でリアルRPGツアー 雨の中、多様な参加者が協力しミッションに挑む

出発前、鎌倉駅前で気勢を上げる参加者たち。右端の甲冑(かっちゅう)姿が高野さん

出発前、鎌倉駅前で気勢を上げる参加者たち。右端の甲冑(かっちゅう)姿が高野さん

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 鎌倉で11月23日、「あなたが勇者になるユニバーサルツアー~武士と共に行く不思議な鎌倉RPGツアー~」が開かれ、外国人旅行者や障がい者、健常者などが協力し観光を楽しみながら市内を巡った。

参加者の肩を借りるスタッフの西郷さん

 主催は、多様性を当たり前に生かし合える社会を目指し活動する「i-link-u(アイリンクユー)」(鎌倉市由比ガ浜2)。代表の高野朋也さんは「運営するゲストハウス『彩(いろどり)鎌倉』には多様な人たちが集まってくる。国境を超え、障がいのあるなしを超えて同じ空間で過ごしながら互いに異文化がインストールされると、簡単に壁を超えて交流できる様子がとても面白いと気付いた」と話し、「それを、より多くの人に体験してもらおうと、RPG(ロールプレイングゲーム)風のツアーにした」と続ける。

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 観光スポットを巡るツアーは以前から行っていたが、「多様なメンバーそれぞれが冒険の役割を担い、仲間たちと課題を解決していくというリアルなRPGに仕立てた」と言う。「参加者たちが属性やハンディなどを超え、助け合い、生かしながら、五感をフルに働かせて、鎌倉を感じてもらえれば」とも。

 当日はあいにくの雨となったが、武士の装束に身を包んだ高野さんと視覚障がい者の西郷光太郎さんの2人がスタッフとして、鎌倉駅で参加者を待った。集まったのは、スペインとアメリカからの外国人、岐阜からの車椅子での参加者のほか、親子や女子大生など11人。参加者に地図と御朱印帳風の「BushiDoの書」を手渡し、高野さんが今日のミッション「ポイントで秘密を探り、土地と人を守り、戦う優しい武士になろう」と告げた。

 全員で気勢を上げてから、かつて武士たちも往来した若宮大路中央の段葛(だんかずら)へ。車椅子がスロープに差し掛かると、ほかの参加者が押したり傘を差し掛けたりして進んでいった。二の鳥居の道の幅と鶴岡八幡宮前の道の幅をメジャーで採寸し、当時の都市計画の謎を解いていった。

 同宮前で折り返し南下、「カトリック雪ノ下教会」(小町2)へ。隠れキリシタンに扮(ふん)した外国人が話す英語を聞き取り、「BushiDoの書」の空欄を埋める。その後、商業施設「エムズアーク鎌倉」では1階の床下にある北条得宗邸の遺構を見学した。

 鎌倉駅近くの踏切を渡って到着したのは、700年以上続く刀鍛冶の「正宗工芸美術製作所」(御成町)。店主で第24代相州伝正宗さんから説明を受けた後、日本刀の原料である玉鋼(たまはがね)にそっくりの菓子ビスコッティを食べることで、この日の全てのミッションをクリア。模造刀を受け取り、「BushiDoの書」にはんこを押した高野さんが「武士に転生したぞ」と勝ちどきを上げた。

 雨天のためコース変更はあったものの、参加者からは「多様な参加者同士が協力し合えたところがよかった」「RPGというコンセプトがよかった」「普段なかなか見ることができない場所に行けた」「ライブ感があるツアーだった」「地元の人と触れ合ったり、深い話を聞かせてもらったりして楽しかった」「日本人でも学びが多かった」などの声が寄せられた。

 「初めての試みで至らない点も多かったと思う。ただ、冷たい雨の中、冒険を進めていくうちに参加者同士がどんどん仲良くなっていく様子は見ていてうれしかった」と高野さん。「今後は、より地域性や武士の文化を醸し出す臨場感を演出していきたい。まちの人たちにもRPGの登場人物になってもらえたら」と抱負を話す。