サッカー神奈川県社会人リーグ2部「鎌倉インターナショナルFC」が4月24日、「みんなの鳩サブレースタジアム」(鎌倉市梶原)に日本工学院FCを迎え今シーズンの開幕戦を迎える。
昨年9月の人工芝を敷く作業もボランティアや選手・スタッフで行った 撮影:Kotaro Matsuo
同クラブは2018(平成30)年、「鎌倉から国際的に活躍できる人材や価値を創造していくサッカークラブ」を目指し設立。通称は鎌倉インテル。県3部リーグ参入からわずか1季で2部に昇格したものの、その後3連続で1部昇格を逃している。
「昨季と大きく異なるのが、完成したみんなの鳩サブレースタジアム(鳩スタ)をホームグラウンドとして開幕を迎えられること」とゴールキーパーでフロントスタッフの岡崎修也さん。「市内にサッカー専用グラウンドがなく、練習もホームゲームも市外を転々としていた」と話す。
昨年10月には、湘南モノレール湘南深沢駅前に同クラブが本拠地として使うサッカー専用の人工芝グラウンドが完成。200席のスタンドやクラブハウスを備える。岡崎さんは「建設資金は税金や公金に頼らず、民間の支援を受け、不足分はクラウドファンディングで3,000万円以上を集めた。選手やスタッフ、サポーターらで草を刈ったり、人工芝を敷いたり、ネットを張ったりするなど、みんなで作り上げたグラウンド。去年の今頃は、ただのススキの原っぱだったことを考えると感慨深い」と振り返る。
1月から3月のカップ戦は有観客で行った。「ゴールが決まった瞬間、勝った瞬間、負けた瞬間、鳩スタの空間にいる全ての人で喜怒哀楽を共有した。ピッチの中と外を隔てるものがない鳩スタだからこその一体感は感動的だった」と岡崎さん。「クラブのコンセプトでもある『CLUB WITHOUT BORDERS』を体現して、今季のリーグ戦も鳩スタを一つにする戦いをやっていこうという思いが高まった」と話す。
今季は選手の半分近くが入れ替わったが、Jリーグ経験者は新たに2人が加入し4人になった。岡崎さんは「20代前半が多いチームにあって、Jリーグ経験者は精神的支柱にもなってくれて心強い。カテゴリーが上位のクラブや大学の監督もコーチとして加わり、トレーナーも増えるなど体制が整ってきた」と話す。
完成したグラウンド周囲の整備のほか、子どもたちにピッチを開放する資金、健康教室など同スタジアムを活用する新しいプログラムなどに充てる資金調達のためのクラウドファンディング「地域でつくるみんなのスタジアム構想」では、3月末で581人・11社から2,300万円を超える支援が集まった。3月24日から募集を始めた「鎌倉インテル友の会」には250人の申し込みがある。
岡崎さんは「ハード面、ソフト面共に整った今季こそは、1部昇格が使命。2年連続で昇格に近づいたものの悔しい思いを経験しているだけに、今季に懸ける思いは強い。開幕戦は、勝つことはもちろんだが、今季のインテルを内外に示す基準ともなるゲームだと考えている」と意気込む。
キックオフは11時5分。入場無料。入り口近くのパークには、タイ料理やカレー、ビールやフライドポテト、コーヒーやサンドイッチなどのキッチンカーが出店を予定する。