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鎌倉はんこ「鎌倉彫印鑑」、全国推奨観光土産品審査会で経産大臣賞

経産大臣賞の表彰状を手にする月野さん夫妻

経産大臣賞の表彰状を手にする月野さん夫妻

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 日本商工会議所と全国観光土産品連盟が選定する「2022年度(第63回)全国推奨観光土産品審査会」の表彰式が2月10日に東京都内で開かれ、鎌倉はんこ(鎌倉市御成町)の「鎌倉彫印鑑」が経済産業大臣賞を受賞した。

職人が鎌倉彫独特のデザインを施した「鎌倉彫印鑑」

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 全国各地の優れた観光土産品を菓子、食品、民工芸。グローバルの4部門で選定する同賞は1959(昭和34)年から毎年開かれており、今年は314事業者553商品が出品され、その中から約90点が表彰された。「鎌倉彫印鑑」は民工芸部門1位に相当する「経済産業大臣賞」に輝いた。

 800年以上の歴史がある伝統工芸品の鎌倉彫と日本文化の印章彫刻を融合させた同印鑑。同店の月野允裕さんが4年ほど前から構想し、鎌倉彫の職人にアプローチした。50年以上かけて育ったツゲの木を加工した印材に、サクラやツタのデザインを彫り何度も漆を塗ってもらった後、最後に月野さんら国家資格を持つ技能士職人が印面に彫刻している。

 昨年末に受賞の知らせを聞いた月野さんは「驚きとうれしさと同時に、身が引き締まる思いだった。これまで以上に、はんこの伝統や文化をしっかりつなぎ、広げていこうという思いが強くなった」と話す。

 70年前から印章専門店を営む家に生まれ育った月野さんが鎌倉に店を構えたのは2016(平成28)年のこと。「武士や武家の間で文書への花押などにより証拠とする証明文化は鎌倉から広がったといわれ、判始(はんはじめ)という儀式も継承されているという。そんな鎌倉から、はんこ文化を国内外に広く伝えていきたいと考えた」と振り返る。

 店頭に立っていると、「鎌倉では、成人や就職、結婚などライフイベントで生涯使うことになる印鑑を、家族が贈る習慣が根付いていることを実感した」という月野さん。「鎌倉彫印鑑を作るきっかけにもなった」と振り返る。

 月野さんは「昨今の『脱はんこ』の流れの中、意思決定や人生の節目でわざわざ押すという本来のはんこの使い方が、よりクローズアップされきたように思う。一般的な印鑑とともに、鎌倉にしかないこの印鑑で多くの方の人生を少しでも後押しできれば」と話す。

 営業時間は10時30分~18時。火曜・水曜定休。

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