鎌倉駅西口に不動産会社が古民家再生の新社屋 キッチン付きイベントスペースも

開店準備中だった西本社長(中央)とスタッフ。3人の奥にはレストランにあるような本格的なキッチンが見える

開店準備中だった西本社長(中央)とスタッフ。3人の奥にはレストランにあるような本格的なキッチンが見える

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 不動産の売買や賃貸仲介などを行うCOCO-HOUSE(鎌倉市御成町)が7月30日、御成通り店を増床し改装、本社機能を統合して全面リニューアルオープンした。

右手のアーチ奥に見えるのが鎌倉駅。西口改札から数十秒という好立地に、古民家を生かした懐かしい雰囲気の新社屋が完成した

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 同社は2006年に葉山で創業し、2011年に鎌倉駅西口ノアビルに移転、3年前に御成通りに建つ築90年の古民家の道路に面した一部を借りて御成通り店をオープンした。今回は同店の建物全体と奥にある庭も含め全面改装した。「新築と同等の費用がかかってしまった」と笑って振り返るのは同社社長の西本学央さん。「古いものと出会えたからこそ、鎌倉らしさを残しながら再生したかった」と続ける。

 前面の引き戸をそのまま活用したほか、あえて天井の梁(はり)を見えるようにしたり、長い間使われていた扉を新設した部屋のドアに再利用、屋根裏に畳敷きの空間を造るなど、「地域に溶け込んでいる建物を生かしながら、その存在価値が再評価されるようなリノベーションを目指す」同社のコンセプトを具現化した本社社屋となった。

 同社が推進している「地産知匠」も実践。地元で生まれ育ち地元を知り尽くした職人が作業に当たった。しっくい壁の内部には竹炭専門店「鎌倉すざく」の塗炭を職人の指導の下、同社スタッフが手作業で塗った。西本さんは「空気の汚れや匂い、湿気などを浄化するほかリラックス効果もあり、塗っているだけで気持ち良いことが実感できた。今後はお客さまの壁もご家族と一緒に塗っていきたい」と話す。同社では物件を購入した家族を集めて定期的に交流会も開き、相互の親睦を深めながら地域のネットワークづくりなども行っている。

 同社は創業時からホームページにも注力し、自然体で書くブログで生活感を伝えているほか、「物件の良い面だけでなく、あえてデメリットも正直に伝える」ことで共感を得てきた。現在も顧客の多くがホームページ経由だといい、同様に共感して社員になったスタッフもいるという。

 店舗面積は70平方メートル、敷地面積は約150平方メートル。ワークショップなどを開くスペースに加え、業務用キッチンも併設した。飲食店を始めたい人のトライアルの場としての利用も呼び掛ける。

 西本さんは「自分が起業したときに苦労や不安を経験した一方で、たくさんの方に支えていただいた。恩返しという意味でも起業したい人を積極的にサポートしていきたい。より開かれたスペースになったので、どなたでも気軽に立ち寄っていただければ」と話す。

 営業時間は10時~18時。火曜・水曜。

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