鎌倉・深沢の「ブックスペース栄和堂」(鎌倉市常盤)で6月23日、2人のミュージシャンによる弾き語りライブ「本と音」が開かれる。
フライヤーを手にする店長の和田さんとプロデューサーの林さん。スタッフと常連客という間柄だったが、一緒にイベントを運営するチームになった
一昨年閉店した書店をリノベーションしブックカフェとして再生した同店。壁一面の書棚は書店時代そのままで、新たに持ち込んだ2000冊以上の書籍が並ぶ。かつての客だけでなく、評判を聞いて来店する新規の客も増えているという。
店長の和田淳也さんは「『カフェ』『ショップ』『ストア』ではなく、空間としての価値を打ち出したかったので『スペース』とネーミングした」と話す。本を通して人と人がつながる場所を目指し、イベントやワークショップを開きたいと考えていたところに常連客がライブの企画を持ち込んだ。
提案したのは同店の近くに住み、藤沢のコワーキングスペース「NEKTON FUJISAWA」で日曜夜のキッチンを担当している林聖子さん。「日曜にライブをやろうと自分の好きなミュージシャン2人に声を掛けたがスケジュールが合うのが木曜だけ。でもどうしても実現させたいと思い、会場として浮かんだのが栄和堂だった」という。
「本の空間に音がマッチするはず」と和田さんはその場で快諾。「本と音vol.1」と題してシリーズ化していくことにした。65平方メートルの店内に40席を用意するが、深沢地区でこの規模のライブは珍しいという。
出演するのは、カフェやゲストハウスなどでの演奏で全国を巡る原田茶飯事さんと、昭和の香り漂うポップスシンガーの前川サチコさん。林さんは「この組み合わせでのライブは初めてなのでワクワクする。それが地元で実現できて幸せ」と話す。
当日は演奏だけでなく、2人が薦める本も紹介する。提供する2種類のホットサンドの具も、この日のために2人が選んだ。フライヤーは和田さんと原田さんがアイデアを出し合い、折ると文庫サイズのブックカバーになるデザインに。イラストは原田さんが描いた。
和田さんは「閉店してしまった本屋で面白いことをやっているなと気付いてくれたらうれしい。地元の人が集まる場になり、そのお客さまがまた新しい企画を持ち込んでくれたらもっとうれしい」と話し、「ホットサンドの中身は当日のお楽しみ」と笑顔を見せる。
開演時間は19時30分。入場料は2,500円(2種のホットサンド付き)、別途1ドリンク(500円)オーダーが必要。予約は電話0467-67-6814かメールで。詳細はホームページで確認できる。