毎週土曜に鎌倉駅周辺で活動する「朝の鎌倉まち歩き(ごみを拾いながら)」のメンバーが12月13日、「旧大佛次郎茶亭」(鎌倉市雪の下)で枯葉などを掃除した。
小学生から年配者まで幅広い年代が集まった。落ち葉だらけだった足元の芝生もきれいに
同ごみ拾いは、平成生まれの若者らが立ち上げたボランティア団体「鎌倉ヘイセイズ」が欠かさず続けている毎週土曜の朝8時から1時間の活動で、来年1月に丸6年を迎える。共同代表の上岡洋一郎さんは「その日集まったメンバーで行き先を決め、楽しくまち歩きをしている。交流しながらついでにごみを拾うという気軽さが、長く続いている理由かもしれない」と話す。
鎌倉市の景観重要建築物に指定されている同邸は、大正から昭和にかけて活躍した鎌倉文士の一人である大佛次郎が、自宅の向かいに構えた交流の場。1919(大正8)年の建築で、現在はレンタルスペースや週末だけのカフェとして営業している。
今回の掃除のきっかけはメンバーの一人が、同邸を管理している佐藤晴美さんがいつも1人で庭掃除をしているという話を聞いたこと。「いつものまち歩きでも前を通ることがあり、広い庭に木々もたくさん見えるので、秋には掃除も大変そうだと話していた」という上岡さんが佐藤さんに手伝いたいと提案した。
この冬一番の冷え込みとなった当日、集まったのは初参加も含め26人。持ち寄った竹ぼうきなどで、庭や周囲の路地の落ち葉などを集めた。長い間、手付かずだったという裏手の人通りが少ない細い路地は、地面が見えないほど落ち葉が積もっていたため時間がかかった。たまたま通りかかった近所に住む女性は「この量だと私のような年配者には掃除ができずに困っていた。たばこを吸って歩く人を見かけることもあり、心配だったので大変ありがたい」と話した。
1時間ほどで作業を終えたメンバーは、佐藤さんが用意した白玉入りの汁粉で暖を取り、「トングではなく、久しぶりにほうきを使い疲れた」「いつもは自然のものはあえて拾わないが、今日は枯れ葉を中心に集めるという新鮮な体験だった」「貴重な建物の掃除の手伝いができてうれしい」「カフェ営業時にも訪れてみたい」「ここで過ごした大佛さんの本を読んでみたくなった」などと話していた。
佐藤さんは「塀に囲まれていて見えないので、入ってきて木々の多さに驚く人も多い。その分、手入れも大変で庭師に年5回入ってもらっているが、普段は自分一人でやるしかないので、今日は本当にありがたかった」と話した。
「鎌倉らしい歴史的建造物に関わることができて、貴重な体験になった。この季節以外にも、また機会があれば手伝いたい」と上岡さん。「いつものまち歩きも事前の申し込みはいらないので、気軽に手ぶらで集まってほしい」と参加を呼びかける。
「朝の鎌倉まち歩き(ごみを拾いながら)」の開催時間は8時~9時。集合場所は「MUJI.com」メトロポリタンホテル鎌倉店前。