鎌倉で落ちているごみを「拾う」のではなく「もらう」ことをきっかけにコミュニケーションを深める活動「いちごみいちえ」のメンバーが3月15日、ものづくりをしている高校生らが開発した分別機を使いながら鎌倉駅周辺を歩いた。
同活動は、観光客や地元の人がつながるきっかけをつくろうと立ち上げた団体「コトオコシ鎌倉」が昨年10月に始めた。同団体代表の染谷綾子さんは「ごみを受け取る際に交わす一言から、コミュニケーションを始めようという試み。名称は、一つのごみを媒介に『一期一会』の場を増やそうと、仲間がネーミングしてくれた」と話す。
月3回ほど、2人~10人ほどが集まり約1時間、鎌倉駅周辺を歩き、観光客と触れ合っている。「特に、外国人からは感謝されるだけでなく、『ごみ箱がないので困っていた』『日本ではごみの分類が細かいことが分かった』『日本の街がきれいなのは地元を愛するあなたたちのような人がいるからだね』などと言ってもらえる」と染谷さん。「地元の人からも『ありがとう』『ご苦労さま』と声をかけてもらうことも多く、うれしい」と続ける。
この日は、共通の友人を通じて知り合った、ものづくりの実験工房「ファブラボ鎌倉」(鎌倉市扇ガ谷)を拠点に、テーマを決めて取り組む中高生のコミュニティー「FabQuest(ファブクエスト)」のメンバーが合流。開発したごみ分別機の実証実験を2月に行い、その後にミーティングを重ね、バージョンアップしたボックスを「いちごみいちえボックス」と命名し持参した。
改良型は、木製の箱を抱えるスタッフの両腕に、右腕には「燃えるごみ」、左腕には「プラスチックごみ」の絵が描かれているボードをバンドで装着。渡す人が、自分の持っているごみの絵をタッチすると、電気信号が箱に付いたセンサーに無線で伝わり、指定した方向にふたが開く仕組みで、分別意識を楽しく学んでもらうという。
コトオコシ鎌倉メンバーの上岡洋一郎さんが、この分別機を装着して若宮大路を歩くと、目を止めたり、振り返ったりする観光客の姿も多かった。ごみを手に近づいて来る人もおり、タッチしてふたが開くのを見て笑顔になった。上岡さんは「渡す人も、もらう人も楽しめて、そこから会話が弾んだ」と話す。
染谷さんは「若いメンバーたちからは、私たちだけでは考えもしなかった意見やアイデアが出るのがうれしい。コラボというより、今後は仲間として一緒に進めていきたい」と話し、「鎌倉を歩くときには、私たちを見つけてほしい。一緒に活動してみたい人も声をかけてほしい」と呼びかける。