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「コロナにカツ丼」で飲食店も子どもも元気に 鎌倉えびす亭が挑戦

卵とじではなくタイプはソースカツ丼。「コロナにカツ!」の文字をマヨネーズで書く

卵とじではなくタイプはソースカツ丼。「コロナにカツ!」の文字をマヨネーズで書く

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 鎌倉の食堂「えびす亭」(鎌倉市雪ノ下)で3月13日、同日発足した「全国観光地カツ丼連盟」の活動の一環として、来店客から寄付を募り子どもたちにカツ丼を無料で提供するプロジェクトが始まった。

「コロナにカツ丼」を手にする店主の福澤さん(左)と「みらくる」の吉村さん(右)

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 小町通りを抜け鶴岡八幡宮の西側、北鎌倉へ向かう道沿いにある同店。隣接の駐車場には常に観光バスが並んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2月中旬以降、その姿は見えなくなった。

 「中国の方がたくさん来店していたが、今はほぼゼロになり売り上げは3分の1に」と話すのは、店主の福澤壮介さん。「このままでは店が継続できないところまで来ている」と危機感を募らせていたとき、妻のあやめさんがたまたま見ていたテレビで、NPO法人「みらくる」(大阪市)の活動を知る。

 寄付を募り、売り上げ減少に悩む東京・日本橋の居酒屋が作る通販用の生ラーメンと野菜の真空パックを、食事を必要とする子育て世代に届けるプロジェクトだった。あやめさんはすぐに同NPOに連絡を取り窮状を伝えた。

 連絡を受けた代表の吉村大作さんは「それまでは知り合いの店などと組んだり、通販商品ありきで進めたりしていたので断るつもりだったが、心が動かされた。ピンチの店を放っておけなかった」と動き出す。

 「場所は関係なく、みんなで頑張りたい、何かしたい」という思いで、場所や商材を超えて提供できるものとして思いついたのが「カツ丼」だった。ソースカツ丼に掛けたソースの上に「コロナにカツ!」の文字をマヨネーズで書いた。

 揚げ物は扱っていなかったえびす亭だが、「不安だったものの、やれることは何でもやってみようと挑戦した」と福澤さん。試作を重ねるうちに「これをきっかけにメニューにも加えようか」と検討していると言う。

 来店客が1,000円を寄付するごとに無料券2枚(=600円相当のカツ丼2杯)を店先のボードに貼る。高校生以下の子どもは、この無料券を店内に持ち込めばカツ丼1杯をテークアウトできる仕組み。

 同連盟には現在、大阪市のラーメン店、長崎県佐世保のハンバーガーショップも加盟。ハンバーガーショップではカツバーガーを提供するという。 

 吉村さんは「今回の騒ぎで観光地の飲食店は軒並み影響が出ている。子どもたちを応援する飲食店を地域の人たちで応援することで、まちが活気づいていくと思う。えびす亭が成功して、各地での見本になってくれたら」と期待を込める。福澤さんは「子どもたちを元気にすることで自分たちも元気になれれば」と意気込む。

 営業時間は11時~17時。木曜定休。

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