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小説「ホワイト・ライオン」著者が鎌倉市立中に寄贈 歴史に興味持つきっかけに

著者の森川さん(左)から松尾市長へ手渡される「ホワイト・ライオン」。両人ともマスク姿で

著者の森川さん(左)から松尾市長へ手渡される「ホワイト・ライオン」。両人ともマスク姿で

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 鎌倉市役所で4月6日、ジャーナリストの森川天喜(もりかわあき)さんが執筆した小説「ホワイト・ライオン」(幻冬舎)を鎌倉市立中学校全9校に寄贈する贈呈式が行われた。

市長に「ホワイト・ライオン」について説明する森川さん。物語のベースが鎌倉だけに熱がこもる

 式には、鎌倉市から松尾崇(まつおたたかし)市長と安良岡靖史(やすらおかやすし)教育長が出席。森川さんから同書9冊が市長に、教育長から森川さんに礼状が手渡された。

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 「ヨーロッパの騎士物語のような仕立てだが、実は下敷きになっているのは鎌倉の話」と同書について説明する森川さん。「平安時代後期に鎌倉・藤沢一帯を中心に治めていた大庭一族の4人兄弟と都から東国に流されてきた源頼朝が交流を始め、やがて頼朝が挙兵する際に4兄弟がどんな決断をするのかという人間模様を描いた」と続ける。

 同書では、源平争乱をレッディア公とホワイティア公による「夜明けの大戦」に、大庭家をベオ家に、頼朝をホワイティア公の忘れ形見である三の君に、舞台を中世ヨーロッパ風の幻想的な世界に置き換え展開していく。

 鎌倉在住のパステル画家・伊藤華奈さんに依頼した表紙絵も中世ヨーロッパ風で、日本の歴史とはかけ離れた印象。「特に若い人の活字離れが進んでいる。本格的な歴史小説を書いても読んでもらえないという思いがあり、ファンタジーに仕上げた。中学生にも読んでいただき、地域の歴史を知るきっかけに」と思いを伝えた。

 「子どもたちがこの本を通して鎌倉の歴史にも興味を持つと同時に、より本を読みたいと思えるようになれば」と市長。教育長も「読書活動の一環として大切に役立てたい。鎌倉の歴史を学ぶ時間が多くはない中で、新たな視点で歴史に対する興味が湧いてくるのではないか」と期待を込める。

 森川さんは、旅行や鉄道などのジャンルを中心に幅広い取材記事を寄稿するフリージャーナリスト。鎌倉ペンクラブ会員で、大磯町観光協会理事も務める。「自分も鎌倉で取材することが多く、いつもご協力くださる皆さんへの恩返しを込めての寄贈でもある」と話す。

 「鎌倉には町中に生きた教材がある。地元の歴史に興味を持っていただく一助になれば」と森川さん。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市内中学校の休校が延期され、すぐに生徒らが手にできない状況に、「本音を言えば、この休みの期間中に読んでほしかった」と残念な様子。市長は「この期間が読書の習慣を身に付けるいい機会なって、その後に読んでもらえれば」と答えた。

 同書は204ページ、価格は1,200円(税別)。鎌倉市内をはじめ全国の書店やインターネットでも購入できる。