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鎌倉「佐助カフェ」の弁当に一筆箋と封筒 会えない人に手紙を 

用意する一筆箋と封筒の一部。相手を思いながら数ある中から色やデザインを選ぶ

用意する一筆箋と封筒の一部。相手を思いながら数ある中から色やデザインを選ぶ

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響でテークアウトとデリバリーに絞って営業を続ける鎌倉の飲食店「佐助カフェ」(鎌倉市佐助)で5月1日、購入客に一筆箋と封筒をセットで進呈するサービスが始まった。

テークアウト「本日のおべんとう」。この日の牛肉100%ハンバーグは店内メニューにもなかった一品

 プロジェクト名は「おうちで『紙で伝える展』」。もとになったのは「紙でつながる展」で、出版社の「銀の鈴社」(佐助)、コピーライター事務所「木村文章店」(常盤)、「東湘印版」(藤沢市長後)が3社合同で2015(平成27)年から毎年開いている企画展。参加者は用意された80種類の一筆箋と18種類の封筒の中から1枚ずつ選び、手紙を書く。誰に何を伝えるかに想像を巡らせながら、紙を選んで紙に書くという時間を体験する。

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 毎年「銀の鈴社」を会場にしているが、昨年12月には同カフェでも初めて開いた。来店者に無料で体験してもらうと、老若男女が手紙を書き好評だった。「親子で、カップルでお互いに書き合ったり、ずっと会っていない友人や親に出したりするなど、楽しんでもらえた」と同店店主の島崎亮平さん。

 「もっと長くやってほしい」「またやってほしい」というリクエストがあったことから、夏休みに同店で「子ども向けにやってみては」と東湘印版の石川智隆さんや木村文章店の木村吉貴さんと共に企画を始めた。その席で出たアイデアが今回のプロジェクトだ。「家で過ごす時間が長くなっているこんなときこそ、手紙を書くきっかけを提供しよう」と、弁当の購入時や配達時に手紙セットの提供を思いついた。

 石川さんは「購入のお礼に手渡されたら、少しだけかもしれないけれどきっと温かい気持ちになるはず。印刷業を中心にやっているので、紙を使って少しでも誰かの役に立てたら」と無償での紙類の提供を申し出た。

 同店は昨年10月、島崎さんが学生時代からの夢をかなえて開いたカフェ。コーヒーや煎茶などのドリンク、「和風チキンサンド」「ホットポークサンド」「粗挽きビーフキーマカレー」(1,200円)、「ビタミンサラダ」(1,000円)のほか、「佐助焼き」「長門牧場ソフトクリーム」(400円)、「あんショコラ」(600円)などが通常メニュー。

 現在は、テークアウトの「佐助のおべんとう」(800円)として、「粗挽きビーフキーマカレー(中辛)」「ローストポークサンド」「本日のおべんとう」。「真空パック総菜」(600円)は「トマト味バターチキンカレー(甘口)」「粗挽きビーフキーマカレー(中辛)」「ゆず胡椒海老カレー(中辛)」「牛肉100%ハンバーグ」。「佐助焼き」(220円)やコーヒー、ソフトドリンクも用意している。

 テークアウトメニューの購入者は、店頭で好きな一筆箋と封筒を選び持ち帰る。デリバリーは、あらかじめスタッフが選んだセットを添えて届ける。

 「デジタルな世の中になり、手紙を書く機会がなかなかない。とはいえ自分で便箋や封筒を用意するのはハードルが高い」が、「用意されていれば、書いてみたくなるはず」と島崎さん。昨年末に実際に店内で書いて楽しんだたくさんの客を自身の目で見ていただけに、「今度は自宅でアナログなコミュニケーションを体験していただければ」と期待する。

 木村さんは「自宅で佐助カフェさんの料理を楽しみながら、大切な誰かに思いを込めた手紙をゆっくり書いてほしい。少しでも心地よいおうち時間になったらうれしい」と話し、島崎さんは「今回は、テークアウトやデリバリーが『ごちそうさま』『おいしかった』だけでは終わらない工夫の一つ。プラスアルファできることはほかにもあるはず。こんなときだからこそ地域の皆さんと一緒に考えてみたい」と前を向く。

 営業時間は11時~16時。現在は不定休。同展は一筆箋と封筒が無くなり次第終了。