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アポなし押し掛け動画無料製作 鎌倉の店を30秒紹介で応援

動画のラストシーン。「頑張ろう鎌倉」の掛け声まで30秒で店舗やテークアウトメニューを紹介する

動画のラストシーン。「頑張ろう鎌倉」の掛け声まで30秒で店舗やテークアウトメニューを紹介する

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが落ち込んでいる鎌倉の店舗を応援しようと、総合エンターテインメント事務所「HIROエンターテインメント」(鎌倉市台)が店舗などの紹介動画を無料で製作し、ネットで公開して話題になっている。

4月3日の「頑張ろう鎌倉」動画の撮影風景。この日から60カ所で撮影が始まった

 動画は、店舗の外観や店内の様子、テークアウトメニュー、地図などのほか、最後に店舗スタッフらが「頑張ろう鎌倉」と発声して終わる30秒のコンパクトな内容。これまで60店を取材し、編集して48店分を公開した。

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 発信の場は、3月に市役所職員がプライベートで立ち上げたフェイスブックグループの「#頑張ろう鎌倉」。参加者が応援メッセージや情報、提案などを投稿する一方で、店主自らが店舗の紹介や現状なども訴え、現在は3000人以上が情報交換している。

 動画を製作した同事務所は、2008(平成20)年に設立された劇団「鎌倉アクターズワークショップ」を母体に、今年活動を始めた。演劇や舞台、イベントの企画・運営・製作のほか、結成されたばかりの野球独立リーグBCL「神奈川フューチャードリームス」のイベントプロデュースも手掛ける。

 今回の動画製作プロジェクトは、高森秀之さん、わだかよさん、遠藤正彦さん、小田切陽三さん、和田実莉さんらがメンバー。高森さんは「市内の店舗を対象にラジオドラマ形式のCMを作る企画だったが、緊急事態宣言が出て営業や長時間の取材も難しくなりシフトチェンジした。自分たちのできることで、困っている店を応援しようと無料での応援動画製作を思い付いた」ときっかけを話す。

 4月3日、高森さんとわださんがカメラを手に鎌倉駅前周辺の店舗を訪ねた。「こんな時なのでスピード感が大切。事前に連絡すると遠慮されるかもしれないので、とにかくアポなしで突撃した」とわださん。「いわば無料のCM製作なので怪しまれることもあったが、顔を合わせて主旨を話すことですぐに理解してもらえて、ほとんどが協力的だった」と振り返る。

 調理場で炎を上げてフランベしてくれるシェフ、カンツォーネを熱唱してくれる店主などもおり、「貴重な体験をさせてもらえた」が、「取材にかこつけておいしいものを食べ過ぎ、体重が増えてしまった」と笑う。

 取材先は個人経営の飲食店が中心だが、不動産店やセレクトショップ、4月24日開店の前だった「無印良品」も。撮影が進むに連れ、飛び込んだ店で「頑張ろう鎌倉で見た」「待っていました」という声が増え、「うちにも来て」という依頼も舞い込むようになった。

 「ほかの店を紹介してくださる店主も多かった。同業種なのにライバルというより仲間という意識が強いようで、鎌倉の人や地域のつながりの豊かさを感じた」と言う。

 動画を見た市内在住の中村絵里子さんは「どんな店か分からず敷居が高かった店も、店内やスタッフの顔まで見ることができ雰囲気が伝わってくる。さっそく足を運びテークアウトした」と話す。

 わださんは「まずは今、触れ合いが断たれている分、ますます強まる思いやつながりを発信したい」と話し、「今後は映像の一部をつなぎ合わせて、アフターコロナに向けた『これからも頑張ろう鎌倉』をオリジナルの楽曲に乗せて製作する予定。収束後は、みんなで喜びや感動を共有できる企画をたくさん作り出していきたい」と目を輝かせる。