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鎌倉御成通りの路地裏「自然と共生」アートフェス 自由に鑑賞、誰でも出品

仕掛け人の松岡さんと大塚さん。ロティガールと鎌倉ペットセンターの間の通称「金魚横丁」で

仕掛け人の松岡さんと大塚さん。ロティガールと鎌倉ペットセンターの間の通称「金魚横丁」で

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 鎌倉の御成通りで9月17日から、自然とアートをテーマにした参加型イベント「路地裏アートフェスティバル」が開かれる。現在、一般からの出品や軒先を展示スペースとして提供してくれる店舗を募集している。

見過ごしてしまいそうな小さな路地の奥には、人気の「KIBIYAベーカリー」が。ここにも作品を展示する

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 発案したのは塩バターパン専門店「鎌倉Roti girl(ロティガール)」(鎌倉市御成町)スタッフの松岡三鈴さん。「個人的にアートで何かしたいと思っていたタイミングで、たまたま店主の大塚晋さんから近所の活性化に何かできないかと声を掛けられた」と振り返る。

 御成通りは、鎌倉駅西口から由比ガ浜通りに向かって南に伸びた約300メートルの商店街。古くからの商店や新しい店舗が約130店並ぶが、観光客であふれる小町通りに比べて落ち着いた雰囲気が漂う。

 「地元の人に愛される鎌倉らしい印象の通り」と松岡さん。「歩いていると、奥行きのない細い路地が左右に現れ、それぞれから自然のエネルギーを感じる」と続ける。松岡さんが感じたままのテーマを設定し、作品を展示することを思いついた。

 駅西口近くの「お好み焼き津久井」の前は「花」、「みんなの社員食堂」前が「光」、「クレープコクリコ」横が「海」、「Kibiyaベーカリー」前が「宇宙、星」のほか、「風」「川、動く水」「金魚、魚」「鳥」などを設定した。

 「初めてのことだし、商店街の公式イベントではなく、会場として商店街を使わせていただくので少し心配だった」が、「日常の生活や営業に支障をきたさない範囲での展示の協力をお願いすると、多くが好意的だった」と胸をなで下ろした。路地のテーマと店舗のメニューや商品とのコラボの話でも盛り上がり、実際に企画もスタート。「視覚や聴覚だけでなく、触覚、味覚、臭覚など五感でアートと体感してほしい」とほほ笑む。

 展示作品は、知り合いのアーティストらに声を掛けているが、「実は、楽しみなのがオープン後の動き」と目を輝かせる。「実際に歩いて展示を目にして、私も描いてみたい、作った物を展示したいと思ってくれたらうれしい。それぞれの路地に新しい作品が加わることで、またエネルギーが変わったり、共鳴したりするはずだから」と期待を膨らませる。

 期間中は一般の出品を受け付けるが、展示は店の軒先や外壁、植え込みなど屋外が原則のため、雨にぬれたり、色あせしたりすることが前提。自身での搬入、展示、撤去ができる人に限る。

 キャッチフレーズは「自然と人はともにあそぶ」。「『自然との共生』といっても、どうしても人の視点から見がち。もう少し自然側の視点も重視して、自然の側に意識を置いて楽しんでいただければ」と話す。

 鎌倉は政権や文化など歴史的にも変革というエネルギーを持つ場所だと分析する松岡さん。「それに引かれて多くの人が集まってくるし、自分も意識したことはなかったのに、導かれるようにやって来た。そして、生き方や暮らし方の転換が実践される気がする。鎌倉なら身近な自然と共生したライフスタイルが、いい循環を生み出すはず。まずは鎌倉で小さな裏路地のエネルギーを感じて」と呼び掛ける。

 出品希望者はメールか電話(0467-37-8994、ロティガール松岡)まで。開催期間は10月17日まで。

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