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サッカーにビジュアル革命を 鎌倉のアマチュアクラブが異例の挑戦

県2部のアマチュアチームが発信したクラウドファンディングのメインメッセージビジュアル

県2部のアマチュアチームが発信したクラウドファンディングのメインメッセージビジュアル

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 サッカー神奈川県社会人2部リーグの「鎌倉インターナショナルFC」(鎌倉市大船)が現在、アマチュアクラブでは例のない「ビジュアル・ファースト」のブランディングを行うための資金をクラウドファンディングで募っている。

今季のユニホームでの記念撮影。来季はリブランディング後のユニホームで新たな挑戦が始まる

 8月31日20時、クラウドファンディングのウェブページに、「サッカーのビジュアル革命に参加せよ」という衝撃的なメッセージが表示された。Jリーグから数えて8番目のアマチュアリーグに所属する地方クラブが、その後わずか1週間で目標額の150万円を集め話題になった。

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 呼び掛けたのは、アルゼンチン在住の河内一馬さん。自ら導き出した思想と同クラブのコンセプトが合致し、来季から監督兼CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)就任が決まっている28歳の青年だった。

 河内さんは2016(平成28)年に欧州旅行に出掛けた際、「サッカークラブやファンのカルチャーがとても格好よく、日本と海外でのスポーツの持つ意味合いのギャップに驚いた」と言う。「『強い』と『格好いい』には何かしら因果関係があるのではないか」と考えるようになった。

 本格的に監督の資格取得を目指し2018年にアルゼンチンに渡った河内さんは、現地のサッカーを取り巻く環境や文化を肌で感じながら「日本のサッカーの社会的価値を、欧州や南米のレベルに高めていくためには、自らサッカークラブのブランディングをするしかない」と思うように。「そんな時、たまたま鎌倉のクラブとの出合いがあり、リブランディングを担うことに」なる。

 同クラブは、サッカーを通して鎌倉から国際的に活躍できる人材や価値を創造していくプラットホーム構築を目指し2018(平成30)年に創設。県社会人リーグ3部から1シーズンで2部に昇格し、その後設立した「鎌倉インターナショナルFCシティ」も2019年に2部昇格、今年はサテライトチームやジュニアスクールもスタートさせた。すでに海外に活躍の場を移す選手やJ3クラブからオファーを受け今季はレギュラーを獲得している選手もいる。

 「これまでとは異なる新しいビジョンで世界を目指すクラブと出合ったことで、日本の伝統文化と国際文化が融合する鎌倉でなら、自分の思いも実現できると考えた」と一気にプロジェクトが動き出した。「ただ、アマチュアではブランディングの優先順位は低い」ことから、資金調達のためクラウドファンディングを立ち上げたと振り返る。

 「縁があって質の高いクリエーターたちともタッグを組むことができた。しかもそのメンバーには鎌倉の出身者やゆかりのあるスタッフもいて驚いた」と河内さん。「これまでの日本サッカーとは一線を画したビジュアルを創造していくチームができた」と自信をのぞかせる。

 クラウドファンディングでは前例のないアプローチが話題になり、1週間で200人以上の支援を集め「想像を上回る勢いで」目標を達成。現在は目標に100万円を上乗せした250万円をネクストゴールに設定し、改めて支援を呼び掛けている。上乗せ分で、同クラブの世界観を表現するコンセプトムービーを製作。エンドロールには支援者の全氏名を記すことにした。

 河内さんは「さまざまな国や地域でスポーツ文化を見てきて思うのは、日本のスポーツの世界では見た目での自己表現を良しとしない傾向があり、それは子どもたちも影響している。今回のプロジェクトは、日本社会や教育、スポーツ、エンターテインメントなどに対する私たちの意思表明でもある」と話す。

 同クラブ代表の四方健太郎さんは「私たちは、美しい自然と文化が融合する鎌倉の街に合う、美しいサッカークラブでありコミュニティーを目指している。鎌倉にもう一つ、美しい物を増やすために、応援をいただければ」と呼び掛ける。

 コロナ禍で5カ月遅れで迎えた今季のリーグ開幕戦が13日に行われ、2-1で平塚SCに勝利した。各ブロック7チームの総当たりリーグ戦を勝ち抜いた4チームが昇格決定戦に進み、1部へ昇格する2枠を争う。

 クラウドファンディングでの支援の締め切りは22日23時59分。

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