鎌倉での宿泊を伴う農業や漁業体験などのツーリズムを提供している「鎌倉農泊協議会」(鎌倉市材木座6)が、魚や野菜に親しんでもらおうと小中学生を対象に「お魚大好き お野菜大好き作文コンクール」の作品を募っている。
同協議会は、鎌倉の古民家や長期空室物件を再生した宿泊施設を運営しながら、宿泊者に野菜作りや収穫、釣りや地引き網、マリンスポーツ、ものづくりなどの体験プランを提供。SDGsを前提とした農泊により、鎌倉野菜や相模湾の海産物など豊な資源を活用して地域活性化に貢献することを目指している。
今回のコンクールは、子どもたちに農産物や海産物に関わる身近な体験を思い出してもらい、一次産業を盛り上げることにつなげていくことが狙い。発案した同協議会アドバイザーの間宮武美さんは「鎌倉の野菜や魚にもっと親しんでもらいたい。そのきっかけとして野菜や魚に手紙を書くつもりで作文を」と企画の意図を話す。
間宮さんは、大手広告代理店の営業として数々の広告制作に関わり、定年退職後もさまざまな事業や企業で活躍。「僕たちの広告時代」「鎌倉-ソウル2328キロを歩く」など著書もある。
間宮さんが同協議会に加わったのは昨年9月。それまで関わっていたプロジェクトが一段落ついた頃、たまたまユーチューブを見ていて同協議会を見つけ、地元鎌倉での活動に興味を持ったという。
連絡すると同協議会の大川桂一会長が会ってくれた。「若いエネルギーに満ちた団体だったので、こんな年配者で驚いたと思うが」と笑う間宮さんだが、その場で意気投合し、活動の一翼を担うことになった。早速、「GO TOフォトコンテスト」を企画したり、鎌倉市長の松尾崇さんらとの座談会を開いたりし、農泊を推進する活動を広く発信した。
作文コンクールでは、小学生と中学生の2部門で作品を募集する。「僕も小さい頃、ピーマンやシイタケが嫌いだったが、いつの間にか食べられるようになっていた。孫の食事を見ていても気づくことがある」と言い、「ピーマンを食べられるようになった日のこと、鉢で育てたプチトマトが実って食べた日、魚釣りで初めて魚に触った日といった体験を思い出して、自由に書いてほしい」と続ける。
審査員は、「木村文章店」を運営するコピーライターの木村吉貴さん、料理のワークショップ「サリ飯」主宰の岡田サリーさん、放送作家の竹内きよのりさんなど。総評は、鎌倉市長の松尾崇さん、教育長の岩岡寛人さん、面白法人カヤック社長の柳沢大輔さんに依頼した。
小学生の部、中学生の部共に、最優秀賞は宿泊施設「琥珀(コハク)」または「山葵(ワサビ)」の家族での1泊。優秀賞は段ボールいっぱいの鎌倉野菜、トロ箱いっぱいの魚。佳作(5作品)は鎌倉野菜セット、鎌倉水産物セット、図書カードから1点。
作品は同協議会のホームページなどに掲載するほか、佐助カフェ(鎌倉市佐助)で展示する。
間宮さんは「どんな作品が集まるか楽しみ。もちろん鎌倉以外からの応募も歓迎。ぜひ、親の世代や祖父母からも子供たちに教えてあげて」と呼び掛ける。
応募方法はホームページで確認できる。