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「湘南モノレール全線開通までの全記録」ネット配信 50年誌に書ききれない人間ドラマも

モノレールの巨大な軌道を建設中の富士見町駅付近。支柱のすぐ前を親子連れが歩いている

モノレールの巨大な軌道を建設中の富士見町駅付近。支柱のすぐ前を親子連れが歩いている

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 湘南モノレール(鎌倉市常盤)公式サイト内のファンページ「ソラdeブラーン」で3月1日、全50回の連載「湘南モノレール全線開通までの全記録」が始まる。

「湘南モノレール全線開通までの全記録」を企画し執筆する森川天喜さん

 湘南モノレールは、大船駅と湘南江の島駅の6.6キロ、全8駅を片道約14分で結ぶ路線。世界的にも珍しい懸垂(サフェージュ)式の軌道で、カーブやアップダウンを高速で走り抜けることから、「まるでジェットコースターのよう」と評されることも多い。1970(昭和45)年3月に大船駅ー西鎌倉駅間が開業。翌年7月に湘南江の島駅まで延伸し、今年が全線開業から50周年となる。

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 今回の連載を執筆するのは、フリージャーナリストで作家の森川天喜(あき)さん。2016(平成28)年秋、「東洋経済オンライン」の取材で尾渡英生社長にインタビューしたのをきっかけに、同社との縁が生まれた。

 昨年3月の区間開業50周年に合わせ執筆した記事が、爆発的なアクセス数を記録。「同じ湘南を走る江ノ電などに比べ、これまであまり話題になっていなかったが、興味を持っている人が多いことを実感。湘南モノレールの歴史を、あらためて振り返るような記事を書きたくなった」と目を輝かせる。

 ちょうどその頃、尾渡社長も50周年を記念する冊子の制作を考えており、構想が一気に具体化。今年6月ごろの発刊を目指し、森川さんを中心とした50周年誌の編さんが始まった。

 情報収集を始めると、同社内から開業に向けた取締役会の議事録、京急や国鉄(現JR)との書簡、図面など貴重な資料が出てきた。初代専務の村岡智勝氏による手記『湘南モノレール設営の記録』には日々の記録が克明に記されていて驚いたという。国会図書館にも通い、地元の神奈川新聞社からは過去の記事の提供を受けた。建設会社が撮影したビデオには、大掛かりな工事の様子が激しい音と共に収められていた。

 「50周年誌はあくまでも会社側の視点で記録していくもの。ただ、資料の中から50周年誌には書ききれない魅力的な人間ドラマが見えてきて、どうしても伝えたくなった」と森川さん。「しかもウェブ媒体なら動画も見てもらえる」と、あらためて今回の連載を提案し実現した。

 毎回のタイトルも、「モノレールが湘南エリアに建設された理由」「鉄道免許取得における縦割行政の高い壁」「長かった建設着工までの1年半」「山あり谷ありカーブあり。難航した路線選定」「モノレール建設工事の工程をビデオで再現」「開業直前まで紛糾した大船駅周辺の用地問題」「世界初となった懸垂型モノレールのトンネル工事」「何度も変わった終点駅の位置と海岸への遠い道のり」など、いかに当時のモノレール建設が、これまでにない一大プロジェクトであったかを物語っている。

 「こうした歴史をメインに沿線散歩や社長が語る将来像なども展開して、より多くの人に湘南モノレールの存在を知っていただくきっかけになれば」と話す森川さん。「今思えば、村岡氏が書き残してくれた『湘南モノレール設営の記録』がなければ、50周年誌の制作も難航し、今回の連載もなかったかもしれない。今度は私が書いたものを、次代へ語り継いでくれたり、将来の記念誌制作などで生かしてもらえたりしたらうれしく、著者冥利(みょうり)に尽きる」と話す。

 3月1日から月曜・水曜・金曜の週3回公開で全50回。掲載終了後には、再構成や加筆を経て書籍化も予定されている。

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