食べる 暮らす・働く 学ぶ・知る

鎌倉駅から15分「ハルバル材木座」 住みなれたわが家を複合型コワーキングに

2階のコワーキングスペースで。「僕がおせっかいを焼いてつながりをサポートします」と伊藤さん

2階のコワーキングスペースで。「僕がおせっかいを焼いてつながりをサポートします」と伊藤さん

  • 55

  •  

 鎌倉駅から南東へ向かい徒歩15分、海も近い住宅街の一角に3月31日、コワーキングを中心とした複合型交流スペース「ハルバル材木座」(鎌倉市材木座2)がオープンした。

住宅街にある「ハルバル材木座」の外観

 バス通りから路地を奥に進み、五所神社の手前左手におしゃれな住宅が現れる。迎えてくれたのは、同施設代表の伊藤賢一さん。玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。「23年前から家族で暮らしてきた、元わが家です」とほほ笑みむ。

[広告]

 「子どもたちが巣立って夫婦2人になったのを機に、多様な人たちに自由に使ってもらえるようにリノベーションした」という室内。1階には畳敷きの打ち合わせスペース、2階にはコワーキングやワークショップに使えるフローリングの広いスペース、ソファを置いた雑談スペース、さらにキッチンも備える。リノベーションしたばかりとはいえ、長く人が使い続けた温かみを感じる空間だ。

 「仕事をする、教室を開く、お店をやってみたいなど、さまざまな人たちが出会ってつながっていく場を、ずっとつくりたかった」と伊藤さん。「そのためには60歳の定年まで待てなかった」と、32年間勤めた在京テレビ局を昨年末に早期退職した。

 同局には新卒で入社し、ドラマやスポーツ番組制作などで技術系スタッフとして活躍。海外赴任を経て人事部に在籍した後、グループ会社の役員や社長も務めた。それぞれの職場で社内外のさまざまな人と関わる中で、思いを伝えるのに直接会って話をすることの重要さを学んだという。

 「メールは簡単で便利だが、ニュアンスが伝わりにくいため、在職中はわざわざ会いに行っていた。面倒くさがれるタイプ」と笑う。ただ、それが「リアルに出会う場」という同施設のコンセプトのベースになった。

 1998(平成10)年、海の近くの生活に憧れ移住を考え鎌倉や逗子を歩いていたとき、偶然「売地」の看板を見つけて新居を建てたのが同所。「ただ、ずっと東京に通っていたので、地域と関わりが持てていないことがもどかしかった。よく顔を合わせる近所の人が、何をしているのかにも興味があった」と言う。

 3月28日に開いた見学会では、そんな地域の人たちも顔を出してくれて話ができた。職業や世代などに関係なく地域の人たちがつながり、遠くから来てくれる人ともつながっていくシーンを目の当たりにして、手応えを感じた。

 施設名の「ハルバル」は、「会社員時代にも体験した、はるばる出向いて実際に会う、目にする、身を置いてみることで距離が縮まると思う」から。鎌倉駅から「僕の歩幅で1800歩ほど」と、それほど離れていないのにローカル感が漂う材木座の風景が、はるばるやって来た印象も与える。駅から歩いて来た見学会の来訪者も「遠いと感じなかった」という人がほとんど。帰りは「海に寄ってみる」と、駅とは反対方向に歩いて行く人が多かったという。

 コワーキングスペースとしての利用は、平日10時~18時。「働き過ぎは良くないので土曜・日曜・祝はクローズ」する代わりに、ワークショップのスペースとして開放する。キッチンを使って料理を作ったり、提供したりするワークショップも可能。「飲食を伴うと雑談も弾み、もっとつながれるはず」と伊藤さん。「ゆくゆくは飲食店を出したい人がトライアルする場としても使っていただければ」と相談を受け付けている。

 かつて社員1200人の名前を覚え向き合ったという人事部での経験を生かし、「ハルバル人事部」も始めた。「かしこまったキャリアカウンセリングではなく、弱みにふたをして強みを引き出し、次のキャリアにつながるお手伝いができれば。気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。

 伊藤さんは「自分の経験や学びだけでは限界がある。いろいろな人とつながることで刺激し合い、やりたいことを見つけられたら人生がより豊かになっていくはず。これからどんな人たちが集まってくださるかによって、この場もどうなっていくのか楽しみ」と目を輝かせる。

 23年前、家を探すために初めてはるばる訪れた鎌倉で、本当にやりたいことを見つけた伊藤さん。ここに集う人たちがつながり、家族として成長していくことができるリビングやキッチンを目指し、新しい家のドアをいつも開けている。

 入会金は5,000円(4月末まで半額)。利用ごとに掛かる料金、営業時間など詳細は、ホームページで確認できる。

 オープン以来、「さくら貝拾い&スマホケース作り」「アルコールインクアート」「香菜・お茶会」などワークショップを開き、今後も「まさに飲み頃、長野県の清酒を味わう会」(4月16日)、「ハルバル材木座談会企画 ~英語へのモヤモヤ、一緒に話しませんか?~」(23日)、「篆刻(てんこく)作り」(29日)などワークショップを予定。会員以外も参加できる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース