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鎌倉で「鶴岡八幡宮の名刀」展 40年ぶり、国宝・重文など一堂に

国宝「沃懸地杏葉螺鈿太刀(いかけじぎょうようらでんたち)甲・乙」の2本と拵(こしらえ)。源頼朝が腰に付けていたとされる

国宝「沃懸地杏葉螺鈿太刀(いかけじぎょうようらでんたち)甲・乙」の2本と拵(こしらえ)。源頼朝が腰に付けていたとされる

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 特別展「鶴岡八幡宮の名刀~歴史に宿る武士の信仰~」が現在、鎌倉の「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」(鎌倉市雪ノ下2)で開かれている。

展示中の「源平合戦図屏風」にカメラを向けると絵が動き出す

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 同館は、「旧神奈川県立近代美術館 鎌倉」だった建物を改修。2019年から同宮が博物館として運営している。同展では、鶴岡八幡宮が所蔵する国宝6点、重要文化財12点を含む刀剣26点のほか、神宝類など65点を展示。一般公開は、ほとんどが1980(昭和55)年に境内の直会殿で開いた「御創建八百年記念刀剣展」以来41年ぶりという。

 展示する国宝のうち「沃懸地杏葉螺鈿太刀 甲・乙」の2本は、江戸時代に松平定信が編さんした古宝物図録集「集古十種」の中に「最高位の武人が帯びる太刀」と記述があり、同館は源頼朝が使っていたとする。同じく国宝の「正恒」は鎌倉時代の作だが、外装は江戸時代のもの。徳川吉宗が1736(元文元)年、同宮の修理造営の際に奉納したと伝わる。

 今回展示する刀剣などのほとんどは奉納によるもので、同宮の阿久津卓也さんは「鎌倉から室町から戦国時代を経て江戸、明治、昭和までの歴史の中で、刀剣を奉納した人々にも思いをはせてもらえることができる」と話す。

 スマートフォンで同館公式アプリをダウンロードすると、主な展示品の詳細や奉納した人物を知ることができる。アプリには今回初めて音声ガイドを導入し、日本語のほか英語や中国語にも対応した。アプリにはAR(拡張現実)も搭載。カメラモードでスマートフォンをかざすと画面に3Dで刀剣が浮かび上がり、国宝を手にしている写真の自撮りなどができる。観覧順路の最後に展示している「源平合戦図屏風(びょうぶ)」にカメラを向けると、描かれている人や馬、船、旗などが動き出す仕掛けもある。

 阿久津さんは「刀には厄を切るという意味もあることから、コロナを断ち切るという思いを込めた。40年以上も公開されていなかった刀剣を間近に見ることができる貴重な機会。9月30日まで境内の市立鎌倉国宝館で開いている特別展『国宝 鶴岡八幡宮古神宝』とともに来場してもらえれば」と呼び掛ける。

 開館時間は10時~16時30分(入館は16時まで)。観覧料は、大人=1,300円、小中学生=600円。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日)。12月5日まで。11月12日に展示物の一部を入れ替える。

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