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よろい姿の武士が弁当届ける 鎌倉のゲストハウスが配達サービス

弁当を配達する高野さん。この日は同施設の子ども開放日に訪れた少年(7歳)も一緒に

弁当を配達する高野さん。この日は同施設の子ども開放日に訪れた少年(7歳)も一緒に

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 鎌倉のゲストハウス「彩(いろどり)鎌倉」(鎌倉市由比ガ浜、TEL 0467-37-9471)が1月4日、弁当の配達とテイクアウトを始める。

狭い厨房で効率よく調理するスタッフ。トライアルで弁当も作っている

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 「市内で働く人たちから『ランチはどこも観光地価格なので苦労している』という声をよく耳にしていたのがきっかけ」と話すのは、同施設を運営する「i-link-u(アイリンクユー)」社長の高野朋也さん。「安価で提供しているいつものメニューを、昼だけ配達も始めることにした」と続ける。

 同施設は2017(平成29)年、築80年の古民家をバリアフリー化し「誰でも泊まれる、誰でも働ける宿」をコンセプトにオープン。国内外を問わずさまざまな宿泊客が訪れる一方、スタッフには身体的・精神的障がい者も積極的に採用してきた。

 当初は素泊まり客専用だったため「宿泊者がコンビニのおにぎりや弁当を食べている姿を見る度に悲しくなった」と言う高野さん。2021年に飲食営業の許可を取得し、「武士食堂 彩」の名称で食事の提供を始めた。高野さんは「コロナ禍に時間があったため、食材の仕入れ先の開拓やメニュー開発などの準備を進めることができ、安価での提供が可能になった」と振り返る。

 調理は、自律神経失調症の娘と母親がコンビで作業するほか、栄養士や看護師、シングルマザーなど5人のスタッフがシフトで担当。高野さんは「お母さんたちが、添加物や保存料は使わずに作っている優しい料理。今後は弁当にして、温かいまま届けたい」と話す。

 メニューは、アジフライ、しょうが焼き、精進揚げ、サバみそ、塩焼きサバ、肉じゃが、エビフライをメインにした弁当のうち2種を日替わりで販売。いずれもご飯は黒米で、ポテトサラダや卵焼き、ひじき煮、きゅうりとほうれん草のゴマあえ、切り干し大根煮など日替わりの副菜が付く。カレーは常時提供する。価格は全て700円。オプションで汁物(150円)も用意。配達料は1件につき150円。フードロスを抑えるため、当面は20~30食に限定する。

 ツアー同行など別業務が入った場合以外は、高野さんが自転車で配達する。高野さんは起業した頃から常に自作のよろいを着て活動しているため、宿泊客らからは「武士」と呼ばれている。現在通う大学院のある東京都内へも、よろい姿で電車に乗るという。

 高野さんは「鎌倉で働く人、住んでいる人の食を手作り弁当で応援したい。心を込めて武士が届ける」と話し、「鉄の馬こと自転車で届けられる所ならどこまでも行きたいと思っているが、近場ならうれしいでござる」と笑う。

 弁当の配達とテイクアウトの受け付け時間は月曜・木曜・金曜の11時~14時30分。「武士食堂 彩」の営業時間(店内飲食)は、朝=8時~9時30分、昼=12時~14時30分。

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