鎌倉にカレーと菜食「香菜軒」 東京で20年の人気店が移転、ビーガン料理メインに

自分で建てた店のキッチンで客を迎える店主夫婦

自分で建てた店のキッチンで客を迎える店主夫婦

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 鎌倉・材木座に5月26日、カレーと菜食弁当や総菜のテークアウト店「香菜軒 寓(こうさいけん ぐう)」がオープンする。

もともとあった築100年の物置や母屋から出た廃材などを再利用して建てた店の玄関。看板も東京で20年掲げていたものをそのまま利用した

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 同店は東京・中野でカレー店「香菜軒」を20年営業していた三浦勉さん・みのりさん夫婦が、勉さんの実家を増築して開く。

 三浦さんは21歳で飛び込んだインド料理店を皮切りに奈良や京都、東京の飲食店で働いた後、1994年に独立した。「エスニックとかオーガニックといった言葉が一般的ではなかったころから自然志向の店を渡り歩いた」と話す三浦さん。「20年前にたまたま店を出した場所も周辺にそういったカルチャーの店が多く、今思えば導かれていたのかもしれない」と振り返る。

 より安全な食材を求めた結果、味もさらに良くなったとわざわざ遠くから来店する客も増え経営は順調だったが、鎌倉在住の両親が高齢なこともあり昨年、店を閉め実家に戻った。

 当初は周辺で店舗物件を探したが見つからず、実家の母屋に増築する形でキッチンと店舗スペースを建てた。設計は工務店に依頼したが、指導を仰ぎながらほとんどの工程を勉さんが担当し、約10カ月かけて開店にこぎ着けた。

 店舗面積は15平方メートル、席数は3席でイート・インに対応。裏庭にも4席を用意した。

 メニューは有機野菜が中心で、肉や魚、卵、乳製品は使わないビーガン料理がメイン。当面イートインは「やさいだけ定食」(1,000円)をベースに、「やさいカレーとプーリー」を加えると1,500円、または「エビのカレーとプーリー」を加えると1,900円など。カレーにはライスも付き、五穀米か雑穀米が選べる。

 ドリンクは、ミニボトルワイン(1,200円~1,500円)、フルボトルワイン(2,900円)、ビール(小200円、中300円、大500円)。ソフトドリンクは、レモン×てんさい糖(400円)、梅×はちみつ(400円、各ソーダ割りは500円)など。マクロビオテックのレシピによるブラウニーなどスイーツ類も用意する。

 店名は東京時代と同じ「香菜軒」に、「わざわざお越しいただき」という感謝の意味を込めた「寓」を加えた。「香菜(シャンツァイ)」はパクチーのことで、現在のように簡単には手に入らない食材だったが、アジアの料理を日本にも広げたいと20年前に命名した。パクチーは簡単に買えるようになったが、今後は庭で本格的に栽培してみるつもりだという。

 三浦さんは「東京では常連客が多く、今回のプレオープンにもたくさん駆け付けてくれた。鎌倉にも自分たちの料理を求めている人がいるはず。まずは地元のみなさんに気軽に使っていただければ」と話し、「以前の店のように店内でもゆっくり食べていただきたいので客席を広げるのが夢。その時は、また自分で建てることになりそう」と笑顔を見せる。

 営業時間は10時~17時。

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