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鎌倉ペンクラブが講演会 ドリームランドモノレール休止と廃線の真相に迫る

自著の「かながわ廃線紀行」のドリームランドモノレールのページを開く森川さん

自著の「かながわ廃線紀行」のドリームランドモノレールのページを開く森川さん

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 「鎌倉ペンクラブ」会員の森川天喜さんが11月29日、ドリームランドを造った松尾國三とモノレール運行休止の真相」と題した講演を早見芸術学園(鎌倉市小町)で行う。

ドリームランドモノレールも掲載されている「かながわ廃線紀行」ほか森川さんの著書

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 ドリームランドモノレールは、1966(昭和41)年に開業した遊園地「横浜ドリームランド」(横浜市戸塚区)と大船駅を結び、横浜市と鎌倉市を走行した全長5.3キロの「跨座(こざ)式」モノレール。開業からわずか1年半後に安全上の理由から運行を休止し、何度か再建計画が持ち上がったものの実施されず、2003(平成15)年に廃線が決定した。

 森川さんは「休止後も軌道や橋脚が長く放置されていたため、廃線跡を目にした記憶のある人もいるはず」と話し、「ドリームランドやモノレールを建設した松尾國三という実業家はあまり知られていない。その人物像やなぜモノレールが休止に追い込まれたのかなどを、定説だけでなく当時の資料をひもといて話したい」と続ける。

 森川さんは、旅行や鉄道、観光、ホテル、都市開発などの分野で雑誌やオンラインに寄稿するジャーナリストで作家。日本ペンクラブ会員。著書の「かながわ鉄道廃線紀行」(神奈川新聞者刊)は、日本旅行作家協会から「第7回 旅の良書」に選出された。現在、神奈川新聞日曜版に「かながわ鉄道英雄伝」を連載している。

 「さまざまな分野で執筆しているが、鉄道の廃線に関する記事はネットでもビュー数が特に多く、関心の高さを実感している。廃線となったドリームランドモノレールを調べるうちに、出会ったのが松尾國三」と森川さん。松尾は旅役者から身を起こし、その後、興行師として国内外の興行や劇場経営、観光、ホテル、レジャー産業などで活躍した。「『芸能界の黒い太陽』『昭和の興行師』とも呼ばれたほどのダイナミックな人物像に魅了された。ドリームランドモノレールを語るのに欠かせない存在。併せて伝えたい」と話す。

 主催する鎌倉ペンクラブは、昭和初期に久米正雄や大佛次郎、里見弴ら鎌倉文士らが立ち上げた団体。一時解散していたが、2001(平成13)年に地元有志が再結成し、文化事業などを行っている。今回の講演会も、その一環。

 森川さんは「鉄道は開業の背景や廃線の経緯をたどると、地域の歴史や人物などの思わぬ物語が見えてくる。鉄道ファンでなくても楽しめる」と来場を呼びかける

 開催時間は14時~15時30分。参加費は1,000円。申し込み方法などは森川さんのXで確認できる。

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