ASTRAX STUDIO(鎌倉市雪ノ下)は米国ロサンゼルスで開かれた「国際宇宙開発会議(ISDC)」で5月25日、宇宙を舞台にした冒険物語絵本「ロケット王子」を世界に向けて発信した。
自らロケット王子のコスチュームでプレゼンするまゆこさん。「英語でのプレゼンに緊張したが、温かく聞き入ってくださった」
同絵本は、鎌倉出身の民間宇宙飛行士・山崎大地さんが子どもの頃、自分で作った望遠鏡で見た土星に感激し宇宙を目指すというエピソードが基になっている。星が大好きな王子が相棒の猫タイタンと一緒に憧れの「わっか星」を目指す物語で、6巻まで出版し、現在も継続している。
同絵本を基に、2015年には「ロケット王子の星のものがたり」としてミュージカル化され、2016年には舞台のサウンドトラックCDが、2017年には「ロケット王子カードゲーム」が発売されるなど広がりを見せている。
今回プレゼンを行った同会議は、NASAの宇宙飛行士や宇宙起業家が所属する米国「NSS(National Space Society)」の主催。最新の宇宙開発の発表や講演が行われ、世界中から毎年約3000人以上が来場する。今年は25日から4日間の日程で行われ、有人宇宙船を開発中の航空宇宙企業ブルー・オリジン社CEOでアマゾン社の創設者でもあるジェフ・ベゾスさんも対談形式で講演した。
同プロジェクトからは原作者のまゆこさん、ミュージカルの脚本家でプロデューサーのこだまひろこさん、ミュージカルのフィナーレ「あおいちきゅう」の作曲者・松崎大祐さん、カードゲームのプロデューサー・岡田恒明さんらが出席した。
プレゼンを行ったまゆこさんは「世界中の人に宇宙をより身近に感じてもらい、子どもたちをつなぐツールとして『ロケット王子』をアピールした。今後100言語に翻訳しアプリケーションを介して発信していくプロジェクトに、たくさんの方に興味を持っていただけた」と話し、「国連世界宇宙週間の事務局長からはミュージカル海外公演のサポートを、インドの先生からは学校とコラボしたいなど具体的なオファーがあり収穫が大きかった」と振り返る。
ブース出展のほか、国際天文学芸術家協会の展示エリアでは原画展も開催し、多くの来場者があったという。
まゆこさんは「こうした会議レベルで絵本のプロジェクトをプレゼンできるのは海外ならでは。世界的には、宇宙はもう夢ではなく日常のインフラとなっていく時代であることを実感した。今後も鎌倉から宇宙へチャレンジしていきたい」と抱負を話す。
帰国後の6月9日、横浜関内のプラネットバー「星蔵」で「ロケット王子読み語り&ミニライブ」にまゆこさんが出演し、会議の様子も語るという。