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洋食「銀座古川」が鎌倉に移転 カレーとシチュー専門店として再開

新しいのれんの前で店主の智久さんと母・百合美さん。百合美さんは元タカラジェンヌ

新しいのれんの前で店主の智久さんと母・百合美さん。百合美さんは元タカラジェンヌ

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 東京銀座で18年続いた洋食レストラン「銀座古川」が鎌倉に移転し7月8日、カレーとシチューの専門店としてリニューアルオープンした(鎌倉市小町2)。

映画「犬神家の一族」の1シーンを思い出させるインパクトある「海老フライとドライピラフ クリームカレー添え」は、別名「すけきよカレー」

 「2001(平成13)年4月、ユニクロが銀座に初めて出店したビルで同時開店だった」と笑って話すのは、店主の古川智久さん。帝国ホテルで36年間シェフを務めた父・喜春さんが独立して開いた店で、行列ができるほどの繁盛店になった。

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 ところが1年足らずで喜春さんが急逝。当時、父親のあとを追うように帝国ホテルに勤めていた智久さんが引き継ぐことになった。「父が忙しそうなときには自分の仕事が終わった後や休日に手伝っていたので味は分かっていた。レシピは全く残っていなかったが、食材の発注票を調べてメニューを一つ一つ再現していった」と振り返る。

 その後もファンは離れることなく人気店として18年続いていたが、「時代とともに銀座の客層が変化してきたこともあり、次のステップを考えて」移転することを決めた。自宅のある藤沢からも近く、智久さんが高校時代に紅茶店でアルバイトをするなどなじみのあった鎌倉で物件を探した。

 新店舗は若宮大路沿いで飲食店や雑貨店、洋品店などが入居するビルの2階。面積は約33平方メートルで、席数は12席。銀座時代のほぼ3分の1の規模だが、「メニューを絞って少しスローテンポでやりたかったし、厨房(ちゅうぼう)のオペレーションを1人でやるにはちょうどいい」と言う。以前はクローズ型だった厨房も「お客さまとの距離を縮めたい」と、客席の様子が見えるように設計した。

 客席のテーブルや椅子は銀座から持ち込み以前の雰囲気を残しながらも、鎌倉らしい和のテイストを加えた。入り口ののれんも和食店のようで、すし店と間違えて入って来た客もいたという。

 開店当日は銀座時代の常連客なども訪れにぎわったが、笑顔の中心にいたのは母親でホール担当の百合美さん。「ここでしか味わえない料理と心温まる接客が好き」と3世代で通うファン、「鎌倉から銀座に通っていたので近くなってうれしい」と喜ぶ女性の姿もあった。

 メニューは、カレーがチキン(1,000円)、ほうれん草(1,200円)、ナスとひき肉(1,400円)、ポークカツ(1,500円)、シーフードクリーム(1,800円)、牛タン(2,200円)など。シチューは野菜(1,700円)、牛タン(2,200円)、和牛ビーフ(2,300円)。肉料理は、ハンバーグステーキ シチューソースがけ(2,200円)、A4和牛サーロインステーキ200グラム(4,500円)。

 カレーは喜春さんが英国大使館に勤務時代に作っていた欧風カレーで、チキンブイヨンをベースに30種以上のスパイスを調合している。

 「海老フライとドライピラフ クリームカレー添え」(2,300円)は喜春さんが生前、思いつきで作ったメニューだという。リング状のピラフの中心に海老フライを2本突き立てたビジュアルが印象的で、テレビの取材で訪れたタレントがミステリー邦画のタイトルを叫んだことから、現在は「すけきよカレー」と呼ぶ人もいるという。

 ドリンクは、ビールがキリンハートランド(500円)、鎌倉ビール星(700円)など。ワインは、タクン赤・白(各グラス500円、ボトル1,600円)、マルキザザベルース赤(ボトル3,000円)、シャブリDアンスト白(ボトル3,500円)。ほかにソフトドリンクあり。

 智久さんは「全て1から手作りしている。家庭では体験できない味をぜひ」と話し、百合美さんは「地元の方はもちろん、観光で訪れる方も散策の途中で寄ってホッとしていただければ」と来店を呼び掛ける。

 営業時間は11時~14時、17時~19時。奇数月の最終日のみ休業。

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