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「鎌倉薪能」出演者が児童ホームで出前講座 楽しく能体験

面と衣装を着けてポーズをとる子ども。隣で山井さんも思わず笑顔に

面と衣装を着けてポーズをとる子ども。隣で山井さんも思わず笑顔に

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 10月11日・12日に鎌倉宮(鎌倉市二階堂)で開かれる「第61回鎌倉薪能(たきぎのう)」を前に9月25日、鎌倉児童ホーム(鎌倉市佐助1)で小学生らが楽しみながら初めての能楽を体験した。

能面について話す山井さん。子どもたちは初めて見る能面に興味津々だった

 「地域への感謝も込めて、鎌倉の次世代を担う子どもたちに向けての講座を企画した」と話すのは、主催した鎌倉市観光協会(鎌倉市御成町1)の大津定博専務理事。「伝統ある鎌倉薪能との接点が生まれればうれしい」と続ける。

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 15時30分、同能の総合プロデューサーで出演者でもある金春(こんぱる)流の山井綱雄さんが会場で正座した。「よろしくお願いします。能は素晴らしい日本の文化。礼に始まり礼に終わることを大切に」とあいさつすると、迎えた20人の子どもたちも大きな声で「お願いします」と返し講座が始まった。

 「能の動作をするので、どんな気持ちを表しているのか当てて」とクイズを出す山井さん。「悲しい」「うれしい」など子どもたちが答え、会場が盛り上がったところで能を分かりやすく紹介した。

 続いて世阿弥(ぜあみ)作の「高砂」を合唱。最初は恥ずかしがっていた子どもたちだったが、少しずつ声が出てくると山井さんの指導で抑揚を付けて歌うまでに。「『高砂』は九州から旅をしてきた神主が新しい船で勇気を出して新天地に赴き、神様から寿福をいただくという物語。これからも前を向いて頑張っていこうというメッセージを込めて、子どもたちと一緒に歌った」と話す。

 山井さんが、東日本大震災後に被災地で行った野外公演での体験を話し始めると会場は静かに。その時の演目「羽衣」を本番さながらに演じると、子どもたちは真剣に見入っていた。最後は能面をかぶったり、衣装を着たりして初めての能体験を終えた。

 さまざまな家庭内の事情で養護を必要とされる児童らが入所する同ホーム。課長の川島稔さんは「驚きと笑いがあり、とても心が動いていたようで貴重な体験だった。伝統文化との触れ合いは新たな発見があり、子どもたちの世界が大きく広がったのでは」と話した。

 山井さんは「人懐こい笑顔の中にも、時おり真剣なまなざしで話を聞いてくれたのが印象的だった」と振り返った。

 鎌倉薪能のチケットは現在販売中で、8日からは同観光協会事務局でも直接購入できる。

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