3密を避けて新しい生活様式へ!

食べる 買う

「AMAZAKE」を世界の共通語に 20代女性2人が鎌倉から米こうじの甘酒発信

「『カラダが恋する、リカバリードリンク』をキャッチコピーに新感覚の甘酒を」と小西さん(左)と三橋さん(右)

「『カラダが恋する、リカバリードリンク』をキャッチコピーに新感覚の甘酒を」と小西さん(左)と三橋さん(右)

  •  
  •  

 鎌倉に12月31日、米こうじで作るノンアルコール・ノンシュガーの甘酒専門店「AMAZAKE STAND(アマザケスタンド)」(鎌倉市)がオープンした。

オープンの大みそか15時には待ち切れない客が列を作った

 鎌倉駅西口から今小路通りを北上し徒歩4分ほどにある同店の前で15時、20代の女性2人が温かい甘酒を売り出した。大みそかの街を行く人が足を止め、カップを手にすると笑顔になった。

[広告]

 「11月にここが空くと聞いて、すぐに決めた。その時からオープンも大みそかにするつもりだった」と三橋英里子さんと小西莉絵さんは口をそろえる。「近くの寺社などで年越しや初詣する人が通りそうなので、今晩は夜中までやるつもり」と続けた。

 2人が出会ったのは、小西さんが勤めていたシェアハウス管理会社に三橋さんが転職してきた1年半ほど前。「ゆくゆくはカフェを経営すること」がお互いの夢だと分かり意気投合し、一緒に立ち上げようと計画を練り始めた。

 大学時代にから趣味のウインドサーフィンで通っている鎌倉で出店したいという三橋さんに、山も海もあり故郷に似て人が温かい鎌倉が好きになったという小西さんも賛同。「ただ、市内にはカフェやコーヒースタンドが増えているので、差別化できる何かを」と模索が続いたという。

 昨年冬、三橋さんが旅先の秋田で、米麹でできた甘酒に出合う。「ずっと苦手だと思っていた甘酒は酒粕(さけかす)でできたもので、米こうじの甘酒はくせもなくとてもおいしく衝撃を受けた。これだと直感」し、その場で小西さんにメールを送った。

 旅先の京都のホテルにいた小西さんは驚く。「メールを受け取ったとき、私も米麹でできた甘酒を飲んでおいしいと思っていたところだったから」と振り返る。

 数年前からブームになっていることは何となく知っていた2人だが、詳しく調べてみると、おいしさだけではなく、体に良いことが具体的に分かってきた。「『飲む点滴』といわれるのは、米と米こうじが発酵しブドウ糖とアミノ酸ができて点滴の成分と一緒だから」で、「その必須アミノ酸が全種類含まれていて、甘酒を1杯飲めば1日の必要量がカバーできる。豊富な植物性乳酸菌が腸をきれいにして美肌効果も期待できる、ストレスを軽減するといわれるGABA(ギャバ)も入っているなど驚くことばかり」と、一般的なカフェではなく、米麹の甘酒専門店づくりにかじを切ることに。

 その後、2人の家を行き来しながら商品開発が始まる。全国から米麹を取り寄せては試作を繰り返したが、最終的に岩手県の小島麹店(陸前高田市気仙町)から仕入れることになった。「程よい甘さでバランスがいいと選んだ米こうじが、実は自分が通っていた高校がある町のものだった」と小西さん。「仕事で恩返しできるのがうれしい」とも。

 物件探しをしながら、週末には市内のカフェの軒先を借りて営業も始めた。「今まで飲んでいた甘酒と違う」「苦手だったのに好きなった」などの客の声に手応えを感じたという。

 鎌倉で知り合った知人からの情報で見つけた物件は、人気店だった「こまつやサンドイッチ」の跡。店主が実家の事情で帰省することになり惜しまれつつ閉店したが、三橋さんもよく前を通っていたという。店舗面積は約17平方メートルと「2人が立つにはちょうどいいコンパクトさ」も気に入り即決した。

 開店当日用意したのは「自家製生あま酒」(500円)のみだったが、通常営業では「ベリーあま酒」「ココアあま酒」のほか、その場でたてた抹茶をホイップクリームにトッピングする「抹茶あま酒」(以上600円)、スパイスを利かせた「チャイあま酒」、甘酒で作ったティラミスを載せた期間限定の「ティラミス甘酒」(以上650円)なども用意する。ノンアルコールで、ココアやホイップクリームなどの甘みは、砂糖の代わりに米麹を使う。

 「日本人が奈良時代から親しんでいる伝統的な飲み物のことを、より多くの人に知ってもらいたい」と三橋さん。「まずは鎌倉で地元の方に飲んでもらい認知度を高め、将来は多店舗化、海外進出も視野に入れている」と小西さん。2人は「『AMAZAKE』を世界の共通語にしていきたい」と笑顔で抱負を話した。

 営業時間は10時~18時。