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鎌倉に「エリぱんの旅するバインミー」 バインミー片手に海山楽しんで

店頭に立つ有我さん。「以前のオーナーのセンスが素晴らしかったので、いろいろそのまま」と笑う

店頭に立つ有我さん。「以前のオーナーのセンスが素晴らしかったので、いろいろそのまま」と笑う

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 鎌倉に3月26日、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」をメインにしたベーカリー「エリぱんの旅するバインミー」(鎌倉市御成町)がオープンした。

以前から人気ナンバーワンだったという「豚焼肉のバインミー」はボリュームもたっぷり

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 同店を開いたのは、鎌倉大町で営業していた「エリパンサンドイッチ@米町マフィンズ」店主だった有我エリさん。車も入れない細い路地の奥で分かりにくい場所だったが「地元の方に加え、ときどき雑誌に載せていただいたこともあり遠方のお客さまも多かった」と振り返る。

 3年限定での賃貸契約が満了し1月で閉店した際には再開を望む声が多く、「特にバインミーがまた食べたいと言ってくださる方がたくさんいてありがたかった」と言う。

 「御成町の焼き菓子屋さんが店を閉めるらしい」と情報をくれたのも客の一人だった。少しのんびりしようと出掛けた温泉で電話を受け、翌日に物件を見ることに。

 御成通りから脇に入ってすぐの病院の向かい。1階が奥に細長い店舗で、2階が厨房だった。「元の店主さんのセンスがよく、多用されていたピンクとパープルの色も大好きだったので」と即決した。

 メインに据えるパンは、ソフトフランスパンに肉や野菜、漬け物などをサンドしたベトナムのソウルフード「バインミー」。「甘辛で漬け物が入って、それでも不思議とバランスがいい」と初めて食べたときから大好きになったという有我さん。現地で食べて忘れられないという「歯切れが良く、サクフワで、うま味が強い」パンを目指し試行錯誤を続け、以前の店では一番人気になった。

 メニューは、バインミーが「サイゴン(レタス、キュウリ、豚焼き肉、なます、香菜)」「ホイアン(レタス、キュウリ、豆腐、アボカド)」「ハノイ(レタス、キュウリ、チキン、なます、香菜)」(以上税別700円)、「おやつバインミー(練乳バター)」(400円)のほか、食パンやレーズン食パン、シナモンロール、マフィン、フリユイなども用意する。

 「海も山もある鎌倉。バインミー片手に出掛けてほしい」という思いを込め、店名にも「旅する」を付けた。「出掛けてと言っておいてビーチでトンビにパンをさらわれたら大変なので、注意なども書いたトリセツも用意したい」とほほ笑む。

 埼玉県出身の有我さんと鎌倉と出合いは小学生のころ。「修学旅行で初めて訪れて、こんな所に住んでみたい」と思った夢を、結婚を機に実現させた。「鎌倉は小さな街だが何でも事足りる。しかも『ここでいい』という妥協ではなく、人もいいし食べ物もおいしいし『ここがいい』と言える」と胸を張る。

 「おいしいパンを求めて国内はもとより海外へも足を運ぶほどのパンオタク」だった有我さんが、自ら本格的にパン作りに取り組んだのは2009年。会社を辞めパン職人養成コースでフランスに留学し、帰国後は横浜や鎌倉でベーカリーに勤めた。

 いったんリセットするつもりでフリーマガジンの編集の仕事に就いたが、レストランのシェフなどを取材するうちに「作りたいという思いが再燃」。仕事の傍ら横浜井土ケ谷のシェアカフェで週1回、2年後からは鎌倉の間借り店舗で週末にパンを焼いて提供。3年前に鎌倉大町の3年限定の空き店舗を紹介され、初めて自分の店を持った。

 店名にある「エリぱん」は、鎌倉で間借りする際に「早く名前を決めて」と催促されて出てきたワード。「そのままだが、誰が作っているのかが分かるので」と使い続け、今回も冠に据えた。

 有我さんは「肉も野菜もとれて栄養バランスのいいバインミーは、きっと最強のアウトドアフード。バインミー片手に鎌倉を楽しんで。できたてを召し上がってほしいので注文を受けてから作るため、少しお待たせすることも。気長に待って」と話す。

 営業時間は11時~16時。火曜・水曜定休(不定休あり)。

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