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鎌倉能舞台でジャンルを超えたアーティスト集いフェス オンライン無料配信も

久しぶりに観客が入るのを楽しみにする中森さん。当日は定員の150席を60に絞って開放

久しぶりに観客が入るのを楽しみにする中森さん。当日は定員の150席を60に絞って開放

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 鎌倉能舞台(鎌倉市長谷)で8月22日、伝統芸能やウクレレユニットなど鎌倉ゆかりのアーティストらによるライブ「まちnho舞台芸術祭」が開かれ、オンラインで無料配信される。

「まちnho舞台芸術祭」ホームページのトップ画像。キャッチフレーズは「nho butai、no life」

 「先日、動画撮影のために約4カ月ぶりに装束を着けた。これほどのブランクは能楽師になって初めての経験」と話すのは、同施設代表で能楽師の中森貫太さん。コロナ禍で同施設をはじめ全国での公演は今のところ全て中止になっているという。

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 SNSで窮状を発信していた中森さんに「能舞台を使いたい」と連絡が入ったのは4月下旬のこと。中森さん自身もメンバーになっている、地域活動を支援する団体「カマコン」スタッフから、発表の場を失っている芸能関係者が、ジャンルを超えて能舞台に集まり公演できないかという提案だった。

 同施設は1970(昭和46)年、神奈川県初の「能」専用劇場として、中森さんの父・昌三さんが創設。2009(平成21)年の改修後からは能楽博物館としての機能も備え、2017(平成29)年には現代語訳や解説などを投影する3台の大型モニターを導入した。

 一方、これまでにクラシックやギターなどの演奏会、プロモーションビデオ撮影、セミナーや学会などの会場としても貸し出しており、「能以外にも使っていただけることがようやく浸透し始め、この4月・5月は週末がほぼ埋まっている状態だった」と振り返る。

 スケジュール帳は白紙になっていたが、「今こそ多くの方に能舞台を知ってもらえるチャンス」と提案を快諾。全てのミーティングはオンラインで行い、出演者募集もSNSで発信した。「一度やってみたかった」「こんな場所でできるなんて」とバラエティー豊かなアーティストたちが次々に名乗りを上げた。

 同時にクラウドファンディングを立ち上げ、開催のための支援を募った。リターンは、4,500円以上の支援者には同施設客席でライブ観覧できる「現地応援権」とオリジナル手拭いとのセットなどを用意。同施設の定員は150席だが、当日の入場者は60人に制限する。

 当日は3部構成で10時~12時の第1部は、草月流華道の横井紅炎さんによる生花パフォーマンスと中森さんの謡曲とのコラボで幕を開ける。ジャズギタリストの小沼ようすけさんのライブ、マジシャンのMichelさんによるコンタクトジャグリング、ピアノの染川真弓さんとバイオリンの掛川みずきさんによる演奏に、北鎌倉の浄智寺住職・朝比奈恵温さんが歌でコラボする。

 12時30分~14時30分の第2部のトップは、声楽の村田望さん、バイオリンの梅津美葉さん、ビオラの小形真奈美さん、チェロのクリストファー・聡・ギブソンさんによる演奏。続いて荻江寿愼さんによる三味線演奏と中森健之介さんによる舞。荻江節では「八島」、能(観世流)では「屋島」と表記が異なる同一の演目を初のコラボで披露する。

 15時~17時の第3部は、日本語サンババンド「Banda Boato!」、紙芝居師なっちゃん、尺八の工藤煉山さんらが登場。ウクレレユニットの「小川コータ&とまそん」の演奏で幕を閉じる。

 クラウドファンディングのリターンは「現地応援権」のほかにも、出演者が提供するCDやDVD、壁掛けや絵色紙、帯揚げや帯締めなどが並び、荻江節の体験レッスン、中森さんによるオンライン講習会などユニークなものも。

 今回のプロジェクトでオンライン会議を重ねたことで、ソフトの使い方にも慣れたという中森さん。オンラインによる稽古を呼び掛けたところ、地方や海外からの申し込みがあった。「思わぬ展開に、新たなメリットを実感した。今後は入場制限を行いながら、動画配信との組み合わせでの公演という新たなスタイルでの運営を考えるきっかけにもなった」と笑顔を見せる。

 「鎌倉ゆかりのアーティストがこれだけ集まるのは珍しい。それぞれが工夫を凝らした舞台になるはずなので、個人的にもとても楽しみ。感染防止対策を万全にしてお迎えしたい」と話し、「皆さんの協力で実現するフェス。出演者たちへの応援だと考え、クラウドファンディングでもご支援いただければ」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~17時。当日は鎌倉能舞台公式ユーチューブチャンネルで無料でライブ配信する。クラウドファンディングは、8月17日0時まで。

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