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鎌倉インテル逆転劇再現ならず サッカー県1部昇格決定戦で敗戦

今季リハビリを兼ねてトレーニングに参加し12月に正式加入の辻正男選手。後半ピッチに立つと70分にはゴールを記録した 撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

今季リハビリを兼ねてトレーニングに参加し12月に正式加入の辻正男選手。後半ピッチに立つと70分にはゴールを記録した 撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

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 保土ヶ谷公園サッカー場(横浜市保土ヶ谷区花見台)で12月20日、社会人サッカー神奈川県1部リーグ昇格決定戦が行われ、鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル 鎌倉市大船)はFCグラシア相模原に1-3で破れ、目標の1部昇格はかなわなかった。

ソーシャルディスタンスを保ち試合前の記念撮影 撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

 同クラブは2018(平成30)年に県3部リーグに参入後、わずか1季で2部に昇格したもの、昨季は14チーム中8位と低迷。上位カテゴリーで戦う難しさに直面し、体制を整え挑んだ今季は最終節まで2位に付けていた。

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 「ただ、優勝し1部昇格決定戦に進むには、上位チームが負け、かつ8点以上の得失点差での勝利というとても厳しい条件だった」と話すのは、同クラブ広報の岡田浩弥さん。迎えた11月22日、デーゲームで行われた上位チームがタイムアップ間際に失点し敗戦。ナイトゲームで「同じカテゴリーの試合では考えられない得点差」の11-0で鎌倉が勝ち、逆転優勝を飾って決定戦に駒を進めていた。

 決定戦の相手は、昨季2部に降格し1年での1部復帰を狙う相模原。11時5分、晴れ渡った空に試合開始のホイッスルが響いた。

 試合は序盤から経験豊富な相模原ペース。ゼネラルマネジャーの吉田健次さんは「この試合に懸けてきた思いが強かったためか、入りが硬く見えた」と振り返る。それでも集中した守備で攻撃を跳ね返していたが、26分に増田選手が負傷交代するアクシデントがありリズムが崩れる。

 29分、ハーフウエーライン付近からの相模原のロングボールに対応できず先制されてしまう。41分にはコーナーキックから、後半早々の51分にも失点し0-3に。苦しい展開の中、チャンスは作るものの決めきれないでいた70分、ついに鎌倉が扉をこじ開ける。

 ゴールネットを揺らしたのは、59分に途中出場した辻正男選手。昨季はJ2ザスパクサツ群馬に在籍し、今季から加わったベテランで、2014(平成26)年のツェーゲン金沢在籍時にはJ3史上初のハットトリックを達成しているストライカーだ。左サイドからのロングボールを受けた藤田航規選手のパスを左足で流し込んだ。

 待望の得点で勢い付く鎌倉だったが、経験に勝る相模原の堅い守備を崩すことができず、そのまま試合終了。リーグ戦最終節に起こした奇跡の逆転の再現とはいかなかった。

 23歳という若さで今季のチームを率いた武田航平監督は「内容、結果共に厳しい現実を突き付けられた。軸にしていた球際、切り替え、運動量というベースの部分で自分たちのリズムを作れていた時間があったものの、組織力で相手が上回っていた」と話し、「コロナ禍で5カ月遅れの開幕により過密スケジュールだったにもかかわらず、決定戦まで進めたのは選手、スタッフ、そしてインテルに関わる全ての人の『クラブの力』だったと思う」と今季を振り返った。

 3失点こそしたものの、この日も鋭い反応で再三のピンチを救ったゴールキーパーでキャプテンの佐々木英泰さんは「1部昇格という今季の目標を達成できず残念。昇格できなかった原因と厳しく向き合いながら、来季に向けて努力したい。昨季は降格の危機にも陥った自分たちが、昇格に手が届くところまできたのは、試合前後のミーティングやプレー中のコミュニケーションが、昨季とは比べ物にならないくらい増えたことだと感じている」と話した。

 この日は、試合前に組む円陣には選手だけでなく、今シーズン初めてスタッフも加わったという。来季も2部リーグに所属するが、「1部リーグにふさわしいクラブとして戦っていきたい」と佐々木さんは力を込めた。

 ゲーム後は沈んだ雰囲気だったものの、来年1月24日の天皇杯につながる公式戦に向けて、すでに気持ちを切り替えているという。翌朝には、来季を見据えてのミーティングもオンラインで行った。かねてから進めていたリブランディングの一つとして新ロゴマークを1月に発表することも決まった。

 同クラブは現在、ホームグラウンド建設のために「鎌倉みんなのスタジアム」プロジェクトと題したクラウドファンディングで支援者を募っている。グラウンド確保はアマチュアクラブにとっての最大の課題ともいわれており、実現すれば大きなアドバンテージになる。