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鎌倉インテル、奇跡の逆転劇で優勝 サッカー県リーグ1部昇格決定戦へ

水島選手(背番号17)は後半出場でハットトリックを達成した。撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

水島選手(背番号17)は後半出場でハットトリックを達成した。撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

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 神奈川県社会人サッカーリーグ2部の鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル 鎌倉市大船1)が11月22日、大和Sマテウスに11-0で勝利しBブロック1位となり、12月20日の1部昇格決定戦の出場権を獲得した(リーグ規定により全試合無観客で試合会場も非公開)。

5分に渡邊選手が決めたゴールシーン。撮影:Kazuki Okamoto (ONELIFE)

 同リーグは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年より5か月遅れの9月に開幕。試合数を昨季より半減するため28チームを4ブロックに分け、7チームの総当たり戦となった。各ブロック1位4チームが、1部への2つの昇格枠を争う。

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 「たった6試合になったため、1試合の勝敗が順位に大きく響く。1つでも負けたら終わりという緊張感の中でのゲームが続いた」と話すのは、同クラブ広報の岡田浩弥さん。連勝で順調なスタートを切ったものの、3試合目のFCコラソン・プリンシパル戦に惜敗。「優勝候補と目されているライバルに負けてしまい、後が無くなった」と当時を振り返る。

 その後は再び連勝で4勝1敗。一方のコラソンも負けなしで、11月22日の最終節を迎えることになった。コラソンは、勝つか引き分けで優勝。鎌倉が優勝するにはコラソンが負け、なおかつ8点以上の得点差での勝利が条件だった。

 先にキックオフしたのは、コラソンと南フットボールクラブの一戦。同日時点で5位だった南が健闘し、1-1で終盤を迎える。引き分けも見えてきた87分に南が加点し、そのままタイムアップ。優勝の行方は、ナイトゲームの鎌倉対大和Sマテウスの結果次第となった。

 「試合結果を聞いた瞬間、思わずガッツポーズした」と話すのは、監督の武田航平さん。「一般的に見れば8得点差は非常に厳しい条件ではあるものの、とにかく昇格の可能性が生まれたのだから」と続ける。岡田さんも「目標が明確になったことで、チームが一丸となったように感じた」と言う。

 ちょうどそこへ、武田さんに連絡が入る。相手は、シンガポール在住の同クラブ代表・四方健太郎さんだった。「開始20分で3点取り、相手の戦意を喪失させてというリクエストだった。自分も大量得点のためには早い段階での複数得点は戦略だと考えていた」と続ける。

 「ただ、メンタル的なダメージだけでなく、球際や切り替えの速さ、運動量といったプレーの強度からフィジカル的な差を見せつけることが重要」と、試合に臨んだ。

 19時、無観客のグラウンドにキックオフの笛が響いてからわずか5分、鎌倉の渡邊純平選手がゴールを決める。勢いに乗り攻め立てる鎌倉だったが、20分までにはこの1点にとどまる。武田さんは「それでも相手選手から『(鎌倉の)運動量、やばい』といった声が聞こえてきて、フィジカルで圧倒している状況が作れている」と確信した。

 すると23分、27分に藤田航規選手が連続ゴール。岡田さんは「3-0になって相手の足が止まり、いけそうだ」と身震いしたという。鎌倉はその後も得点を重ね、前半を5-0で折り返す。

 後半、輝きを見せたのは、市内腰越出身でチーム最年少の19歳・水島利於選手。「ここまで出場機会が少なく、途中出場でもフィットできるまでに時間を要したり落ち込むことが多かった」と言うが、この日は48分のファーストプレーでゴールを決めると、70分、80分にも得点し、ハットトリックの活躍を見せた。

 「ベンチを含め、全員が必ず8点を取るというモチベーションで、ベクトルが一つになっていたのが分かった」と岡田さん。8点目は65分、伊藤大樹選手が決めた。喜びを分かち合う選手たちだったが、水島さんは「その後も少しの油断もなく、いつも通りに試合を進めることができた」と、決して浮き足立つことはなかった。

 ミッションを達成しても手綱を緩めることなく、選手たちは躍動。終わってみれば11-0の大勝だった。四方さんは「8点どころか、サッカーではあり得ないスコアでの勝利が現実になった」と選手や監督、スタッフの健闘を、遠いシンガポールからたたえた。

 「とはいえ、まだ昇格に向けたスタートラインに立てただけ」と武田監督。水島さんも「次に勝たなければ、この日の勝利の意味もなくなる」と気を引き締める。

 「鎌倉から国際的に活躍できる人材や価値を創造していくサッカークラブ」を目指し、2018(平成30)年に創設した同クラブ。県社会人リーグ3部に加盟後、わずか1シーズンで2部に昇格したが、昨季は降格の危機にも直面するなどブロック14チーム中8位と低迷した。

 今季も、コロナ禍によるレギュレーションの変更、優勝候補との直接対決での敗戦など苦しい時を乗り越え、最終節で奇跡ともいえる逆転での優勝だった。1部昇格を懸けた決定戦は12月20日、県内の会場で無観客で行われる予定。

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