鎌倉酒販協同組合(鎌倉市長谷2)から9月20日、オリジナルの「鎌倉スパークリングワイン」が発売され、市内の飲食店で提供される。
落ち着いた色とデザインのラベルで大人っぽい雰囲気に仕上がった
鎌倉、逗子、葉山の酒の販売業者によって1986(昭和61)年に設立した同組合。2004(平成16)年からは、地元の梅を使った「鎌倉梅ワイン」「鎌倉梅酒」「かまくら梅サイダー」や地元産サツマイモ「紅あずま」を使った焼酎「吾妻鏡(あずまかがみ)」などオリジナル商品の開発・販売も行ってきた。
「いずれも酒屋から飲食店に卸しているが、これまでとは異なる流れをつくりたかった」と話すのは同組合の長嶋幸男理事長。今年の鎌倉料理飲食業組合の新年会の席で組合長の柿澤昭治さんに「どこでも買える酒ではなく、飲食店でしか飲めないプライベートブランドの商品を出してみないか」と投げ掛けた。
柿澤さんは同じ市内の大船飲食店組合の組合長・桑原健次さんに相談し賛同を得て、6月ごろから本格的にプロジェクトが動き出した。
ビールやサワーなど炭酸が好まれる傾向があることから、まだ比較的手付かずのジャンルでもあった「スパークリングワイン」に着目したという。「やるからには『鎌倉』という名称は必須だったが、酒税法の改正で産地名の表記が厳格化しクリアするのに苦労した」と振り返る。
製造はマンズワイン(山梨県甲州市勝沼町)に依頼し、醸造用シャルドネ種を使ったワインに鎌倉産の梅を加え、上品な香りに仕上げた。酒飯協同組合に届いた完成品を試飲した3人は「辛口ですっきりして口当たりがいい」と声をそろえた。
鎌倉駅西口で「お好み焼き 津久井」の店主でもある柿澤さんは「すでにお客さまから、まだ飲めないのかと聞かれることがある」と話し、大船のパブ「ロペ」店主でもある桑原さんは「女性にも好まれるはず。誕生日の集まりなどにもぴったり」と期待する。長嶋さんは「鎌倉市内の店でしか飲めない鎌倉の新しい酒を皆さんで楽しんでいただければ」と話す。
720ミリリットル、アルコール分12%、参考価格は3,000円程度。初回は3000本製造し、鎌倉と大船両組合に加盟しているレストランや食堂、カフェ、すし店、居酒屋、スナック、バーなど飲食店で提供。酒販店など小売店では販売しない。