鎌倉市観光協会(鎌倉市御成町1)で6月2日、今年もオリジナルデザインの「2020納涼うちわ」の販売が始まった。
天地約36センチ、左右約23センチで「鎌倉型」と呼ばれる竹製。一本一本手作りしている
1977(昭和52)年から、鎌倉ゆかりの日本画家や洋画家、漫画家などに原画を依頼し製作している「納涼うちわ」。鎌倉をイメージして描くオリジナル作品を楽しみにしているファンが多く、毎年購入しているコレクターもいるという。
45作目の今年は、洋画家の濱岡朝子さんが描いた「花づくし」。タチアオイ、ヒマワリ、ダリアなど夏の花々が、うちわの紙面いっぱいに色鮮やかに広がっている。
昨年まではJR鎌倉駅東口改札前に臨時ブースを設置していたが、コロナ禍の今年は西口の同観光協会のみでの販売となった。初日に訪れた市内在住の女性は「毎年楽しみにしている。このところ気持ちがふさぎがちだったが、鮮やかな色と柄のうちわを手にして元気をもらった」と笑顔を見せた。
同協会の大川美紀子さんは「絵柄にあるタチアオイの花言葉は『平安』ともいわれている。不安が広がる社会が穏やかになるように祈りを込めてお渡ししたい」と話す。
竹製の手作りで1本350円(税込み)。1万3500本を用意し、一般販売分は8500本。電話や同協会ホームページの通販サイトでも申し込める。
「おかげさまで、初日から地元の方がたくさんお越しくださった。電話やネットでは全国から注文いただいている。プレゼントやお土産にという方も多い」と大川さん。「華やかな柄を手に、暑い夏を元気に過ごしていただければ」と話す。